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Day3-6
スポットライトに照らされた志乃の顔は、耳まで赤く染まっていた。
恥ずかしさのあまり顔を背けようとするが、頬に置いた左手で顎を掴むようにしてそれを阻止する。
潤んだ瞳が落ち着きなく動いているのを見ていると、彼の緊張が伝わってくるかのようだった。
「志乃さん。もう少しだけこうしてていいですか」
自分より幾分か背の高い男の耳元でそう告げると、何も言わずに頷いてくれる。
だらりと垂らした両腕はゆっくりと珠希の背中へと回され、大きな手のひらの温度がじんわりと伝わってきた。
同様に左手を頬から離し、骨張った腸骨から筋肉質な臀部にかけて、身体の構造を確かめるかのように指を這わせる。
指先から伝わってくる感触に、自身の熱も上がってきたようだ。
それすらも堪らないといった様子で、志乃は自身の頭を珠希の肩へと凭 れさせた。
「そんな体で‥どうやって帰るつもりだったの?」
下腹部に触れている熱源は、身体を撫でるたびに素直なまでに反応を示している。
「き、君のせいじゃないか‥」
熱を帯びた息が耳に掛かり、加虐欲が満たされていくのを感じた。
自分の手によってこんなにも乱されている男が、可愛く思えて仕方がない。
「俺‥おかしくなっちゃったのかも」
少しばかり酔っているのか、いつにも増して正直だ。
今にも泣き出しそうな声と、理性を揺さぶる彼の言葉に、思わず口角が上がる。
「あんまり可愛いこと言わないでください」
終電の時間が近づくほどに増えていく客も、毎日のように流れる聴き飽きた音楽も、全てが気にならないほど、志乃とのこの時間が特別なもののように思えた。
「僕も‥これでも必死に我慢してるんです」
どうやら酔いが回っているのは彼だけではないようだ。普段では口にしないような情けない本音が、ぽろりと溢れてしまう。
「‥我慢?」
何のことか分からないといった様子で、肩に乗せた頭をこちらへ向ける。
すぐそこにある志乃の顔を真っ直ぐに見つめながら、おもむろに口を開いた。
「本当は、今すぐにでも志乃さんを抱きたい」
嘘偽りのない、心の奥底からの本音に、男はあからさまに動揺を見せる。
少しばかり引いていた耳の赤みは、先ほどよりもさらに増したようだ。
真っ赤に染まった耳に吸い寄せられるように唇を近づけ、ピアスの痕のないまっさらな耳朶 を軽く喰む。
背中に回された腕がぴくりと反応するのと同時に、下半身の膨らみも増していくのを感じた。
彼の手首に嵌 められたバンドの固さを背中に感じ、思わず笑みが溢れる。
_これのどこが、“青色”だって言うんだ。
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