40 / 45
Day4-8*
耳まで紅潮している志乃の顔を見下ろしていると、無意識のうちに本音が漏れていた。
「‥可愛い。志乃さん」
顎を支えていた手を離し、彼の唾液が付着していない指先で、目尻に溜まった涙を拭う。
時間をかけて根本まで性器を飲み込んだ男は、眉間に皺を寄せながら、鼻で浅い呼吸を繰り返していた。
「はぁ‥やば‥‥っ」
喉の奥で亀頭部分が締め付けられ、思わず壁に腕をついた。
限界が近づくにつれて、湧き上がる衝動を抑えることが難しくなっていく。
志乃の下半身に乗せていた足を退け、先ほどまで置いていた位置より少し前に出す。
後頭部が壁と接するまで押していくと、すぐにまた逃げ場を封じることができた。
「‥このまま、っ‥腰振っていい、ですか?」
「ゔ、ぅ‥っ‥‥んん゛‥」
「ふっ‥何言ってるか、わかんない‥ねぇ」
「ぅぐ‥‥ゔ、‥っ‥」
全体重をかけるようにして、さらに奥まで押し込みたい気持ちが芽生えるが、唇を噛み締めてぐっと堪える。
理性の欠片をかき集め、先端が咽頭部の入り口あたりで止まるよう、遠慮がちに腰を振った。
嘔吐 かないよう喉を締めながら耐える志乃にとっては、それでも十分すぎるほどに苦しいはずだ。
喉の奥から聞こえてくる卑猥な音と、低い呻き声が、絶え間なく玄関に響き渡り、珠希を射精へと誘う。
「口に‥出すよ?‥って、答えられないか」
ただそこに穴があるかのように、彼の口腔内を犯し、込み上げてくる熱を欲望のままに吐き出した。
喉が上下するのを感じ、ゆっくりと腰を引くと、聞こえてきたのは志乃が咽せる声と鼻を啜る音だった。
これは、やりすぎてしまっただろうか_。
不安を感じた珠希は、慌てて下着を引き上げ、足元で丸まったスラックスを廊下へと放り投げる。
跪いている男の前にしゃがみ込んで、涙や唾液でぐしゃぐしゃになった顔をパーカーの袖で拭った。
本当であればこの顔も、じっくりと堪能したいところだが、今はそれどころではなさそうだ。
「ごめんなさい。ちょっと‥ひどくしすぎちゃいました」
申し訳なさそうな面持ちで、肩で呼吸をする志乃の顔を見つめる。伏せた睫毛は涙で濡れており、ひどく色っぽい。
上がった息をそのままに、彼は口を開いた。
「‥お願いしたのは、俺だよ?」
目尻を下げて優しく微笑む姿が堪らなく愛おしく思えて、気がつくと腕の中に抱いていた。
「た、珠希くん‥?」
突然のことに動揺した志乃も、しばらくの間黙って抱き締めていると、おずおずと背中に腕を回してくれる。
こんなに可愛らしい人を、どうしたらこの腕の中だけに閉じ込めておけるだろうか。
熱くなった頬に気付かれないよう、彼の肩に顔を乗せたままで口を開く。
「‥僕だけに、してくださいね」
これまで内に秘めていた独占欲も隠しきれなくなるほどに、いつの間にか志乃に対する想いは強くなっていた。
ともだちにシェアしよう!

