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Day4-9
こぢんまりとした浴室は、マグネットタイプの収納を使い、綺麗に整頓されていた。お風呂に入りながら音楽を聴いているのだろう、浴槽の縁には防水のスピーカーを置いている。
『汗かいたでしょう。先にシャワー浴びてきちゃっていいですよ』
彼に手を引かれ、覚束ない足取りで部屋に着くと、気を利かせてそう言ってくれたのだ。
鏡に映った自身の姿は、到底自分とは思えないほどに淫靡な雰囲気を纏っており、慌ててシャワーのお湯を浴びた。
ボディソープを軽く泡立て、体に滑らせていく。やがて自身の臀部に辿り着くと、ふいに手を止めた。
一度深呼吸をした後で、割れ目に沿って指を這わせていき、“そこ”へと触れる。
経験のない“入り口”は硬く閉ざされており、本当にあんなものが入るのかと、急に不安に襲われた。
もちろん、これまで“そこ”へ入れてきたことは幾度となくあるが、彼らのとは全く様子が違っているのだ。
「っ‥ぅ‥‥」
まだ身体に熱が残っているせいで、珠希のことを考えながらそこを撫でていると、下腹部が疼いてしまう。
準備が必要ない体なら、本当は今すぐにでも彼に_。
「着替えとバスタオル、置いておきますね」
ドアの外から聞こえてきた珠希の声に、はっと我に返る。
「う‥うん。ありがとう」
何事もなかったかのように返事をし、蛇口を捻った。
変化しつつある自身の気持ちを受け入れるのに、そう時間はかからなかった。
彼の熱を知ってしまった、今となっては_。
*
脱衣所のドアを開けると、キッチンの換気扇の下で煙草を吸う珠希の姿が目に入った。
「‥やっぱり僕の服だと、少し小さいですね」
ドアの前に立ったまま、ぼんやりとその姿を眺めていると、こちらに気付いた彼は優しく微笑みかけてくる。
服はまだいい方だが、彼のサイズの下着は些 か窮屈だ。
「一つくらい‥持ってこようかな」
彼の隣まで歩いていき、少し悩んだ後に口を開くと、驚いた様子で顔を見つめられた。
口腔内に溜めていた煙を吐き出す男は、二十歳とは思えないほどに色っぽく、胸のときめきが止まらない。
「それはつまり、これからもこうして会ってくれるって‥意味ですか?」
「う‥ん。ダメだったかな‥?」
まだ二度しか会っていないというのに、図々しかっただろうか。
不安になり、正面にいる彼からふいっと視線を逸らした。
「ダメじゃないです‥けど」
まだ半分ほど残っている煙草を灰皿に押し付けると、向かい合った志乃の身体に手を伸ばしてくる。
背中からゆっくりと5本の指が下りてくる感覚に、思わず息を呑んだ。
「ちゃんと分かってます?僕が‥“ここ”に入れたがってるってこと」
“そこ”を解すかのような手つきで、尾骶骨をぐっと押され、段々と顔が赤くなっていくのが自分でも分かる。
意を決したように息を吐き出し、真剣な顔でこちらを覗き込んでくる珠希の目を見て言った。
「分かってて、言ってるんだけど‥な」
その言葉に男は頬を緩め、大きなため息をついた。
「ずるいな。あなたって人は‥」
近づいてくる顔に、キスをされると思った志乃は、思わず目を瞑る。
柔らかな唇が触れたのは、玄関で泣かされたせいで少し腫れぼったくなった瞼だった。
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