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第2話

幼少期から、もう、性格なんて、おおよそ決まっている。 磨けば磨くほど、浮き出てくるのは、赤ちゃんの時からある、純粋な心だ。 しかし、純粋な心と言えど、この世を生きていく上で必要不可欠な事が、ルールを守る事。 それが出来なければ、人は、裁かれ、最悪、死に至る。 「・・・」 純粋な心が、ルールを知って、どう変化するか。 駄目だと言われたから、駄目。 やってはいけない事だから、駄目。 可哀想だから、駄目。 ルールに対して、様々な思いがあるだろう。 それが、言うなれば、個性で。 ルールを逸脱する性格に対しては、“個性”なんて優しい言葉では収まらない。 じゃなければ、世界は、争いをし始めるだろう。 人を律する事で、居心地を得ている者も居る。 おかげで生きられる人が存在し、殺される人も居て、それは合法だから、要らないと判断された人々を殺し尽くしたら、世界平和を実現出来ると、信じている輩が、刃物を持ち、それに賛同する者は、全員助かるのかって、俺は、不安になるよ。 「・・・」 不安になったからと言って、俺が刃物を持ってしまえば、そこでまた争いが起きて、事がいつになっても終わらない。 いつになっても平和なんて実現出来ない。 どう足掻こうが、人は、人を殺す理由を見つけてしまうだろう。 何をすれば良いのか、考えた人は、ゲームを作り出した。 誰も傷付けない事。血を流さない事。殺さない事。 しかし、画面上で繰り広げられるのは、CGによって出来た、立派な殺人風景だ。 人は、人を殺さなければ、生きていけないのか、また、俺は、不安になったよ。 「・・・もしもし?」 携帯が鳴ったから、出た。 相手は、分かっている。 俺に電話を掛けてくる人と言えば、実の兄である、|神田瑠伊《かんだ るい》しか居ないのだ。 『ちゃんと起きれたんだ。今どこに居るの?』 俺が、不真面目な人間だと知っているから、声を掛けてくるのが日常だ。 鬱陶しいと言えば鬱陶しいけれど、為になると言えば、それ以外に無い。 「井口の駄菓子屋んとこ」 校門の前。 そう言いたくなかったのは、正しく、その不真面目が原因だろうとは、思う。多分。 『そっか。とりあえず、教室・・・だよね?その後、体育館で、入学式か』 「そうだろうね」 『、・・・・・・。しっかりしなきゃ。もう高校生なんだよ?』 「まだ中学生の気分だよ」 『駄目だよ、そんな事言ってちゃ。大人になれないよ』 「まぁ、今は、新入生だから」 『しっかり学んでね。俺が居なくても生きていけるように』 「寂しい事言わないでくれる?」 『、死ぬなんて言ってないでしょ。』 「え、死ぬ話だったの?」 『死なない。でも、いつまでも世話は出来ない。』 「・・・あー、うん。ごめん」 『・・・面倒くさいなほんと』 「・・・。ごめんって言ったじゃん。」 『切るよ』 「えー。待、」 通話が切れた。 「・・・」 兄は、俺とは違って、出来る方の人間だと思う。 友達にも恵まれているし、勉学の方も順調にいってる。 人の話に耳を傾けるタイプだろうし、俺の事ですら、よく気に掛けてくれる。 周りから散々疎まれようと、俺の性格を、個性だと言って、擁護してくれる。 それを人に押し付ける訳でもないから、だから、兄は、報われているはずだ。 「・・・。」 “あんな奴をも相手にして、偉いね”ってね。 皮肉を言ったつもりだが、否定も出来ない。 「・・・」 靴箱前で、下履きから上履きに履き替える。 カツカツと、廊下を歩く足音を立て、一年の教室に向かった。 三組分ほどの教室が並んでいて、前後にあるドアの内、黒板側のドアに張られている紙きれを見て、自分が、二組に振り分けられているのを知った。 横滑りのドアを開けると、もう既に、クラスは、その組の新入生で溢れ返っていた。 「―・・・お前こないだ、twitterでなんか呟いてたよな」 「―・・・え?何の話」 「―・・・あいつん事だよ。笑ったんだけど」 「―・・・笑う為に呟いた訳じゃないんだけど」 「―・・・他になんかあんの?」 「―・・・無いけど。笑うだけかよ。」 「―・・・うん?」 水色の髪かぁ。何、不良? 思ったって、話しかけはしない。 「・・・」 俺は、その傍を通り過ぎ、|神田歩人《かんだ あると》、と机の上に書かれている、真ん中の列の一番後ろの席に腰を掛けた。 あとは、チャイムが鳴るまで待って、担任の先生の指示に従って、入学式を終えれば、目立った面倒事は、終わりのはずだ。 「・・・はぁ」 今日、何回目かの溜め息が出た。

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