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第5話
カレンダーは、同じ月日に、時計は、同じ時間に、月と太陽を同じ場所で、観察する事ができる。
おんなじ出来事がつらつらと並んでいるただの日常が、様々な感情に彩られた未知の世界だと、今もなお、信じられている訳か。
今や、その性格ですら16タイプに振り分けられ、異論を唱える輩は、9タイプだよ、と。
振り分けられる事に逆らう輩は、何の為にそうしているの。そして、どうなるの。
死んじゃうの?って、思う時もある。
俺も、人間だから。
「・・・」
人間は、きっと、世界を作りたいのだ。
自分色を認識してもらいたい欲がある。
自分の考えが正しい事を証明する為に、他者と関わり、らしく考えて、物を教えているのでは?
「神田君、何考えてるの?」
「・・・、ん?」
既存のものを知る事に抵抗は、無い。
はずだけれど、バカは、学ぼうとはしない。
そのバカは、本当に、ただのバカなのか。
それを知る必要は、あるのか、ないのか。
ごちゃごちゃ悩んでいる俺は、そのバカと同じで、新しい事を学ぼうとしない、バカなのか。
そうなのか。
「俺ってバカなのかなって考えてたけど」
「え?、ははっ・・・えぇ?何で?」
「バカを知る事って、バカなことじゃないんだ、って」
「待って。僕の事を言ってるの?それ。」
「え?何で?」
「目の前に居るのは僕でしょ?僕しか居ないじゃん!!」
「違うのに」
浅井君が、プリプリ怒り始めた。
俺を見ながら、叫んでる事は分かるんだけど、別に、俺は、お前をバカだとは、言ってないはずなんだけど。
「俺、生卵かき混ぜる音が嫌いなんだよね」
「何それ。僕が嫌いって事?」
「え?何で?」
「だから、今神田君の目の前に居るのは、僕以外居ないでしょ!!」
「・・・あー、ほんとにそうかもね」
「・・・、・・・否定してほしかったよ、」
「お前が突き詰めたんだけどね」
「・・・だよね、最悪の気分だよ、」
「俺は、そうでもないけど」
別に、嫌いだとは思ってなかったと思うんだけど、比喩して伝えてしまう訳だから、多分、俺は、浅井君の事が嫌いなんだろう。
そう言えば、確かに、突っかかるところがあるんだよね。
俺に浅井君が、浅井君の性格が。
挙げ始めると、そんな感じだけれど。
「神田君って素直なんだね。嫌味だよ?」
浅井は、笑って俺を見ている。
仮面を被ってまで、そう、俺に伝えたかったらしい。
もう、嫌われてしまったのか。
残念だけど、仕方ない。
「なんか、美味しそうな言葉、並べたね」
嫌味なら、食ってしまえば消えちゃうのでは。とか。
消化できるかは、謎だけど。
「、意味不明な事言わないでよ・・・、」
「嫌味だよ?」
「嫌味なの?」
「美味しかった?」
「嫌味だから不味いよ。」
「、伝わった。」
「伝わったね。」
伝わったら、嬉しいけどね。俺は。
「はは」
素直な笑顔を浮かべた。
浅井は、そんな俺を見て、何となく、ふ、と口元を緩めて俯いて、後頭部を掻いた。
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