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第6話
「そろそろ、お風呂だね」
結局、ちまちま、時折、なんてことない話を続けながら、俺と浅井は、場所を変えずにソファーに座ったままでいた。
入り口のガラス扉の向こうにある外は、もう暗い。
ちんまりと立たされている電灯が、一つ、狭く周りを灯している程度だ。
「大浴場使うの」
折角なら、俺も大浴場がどんなか、覗いてみたい。
なので、そのような問いを渡していた。
「うん!まだ見たことないしね」
浅井も、俺と同じ事を思っていたみたいだけれど、双方の行動は、一致しない。
ソファーから立ち上がり、浅井は、一旦、部屋に戻り、俺は、大浴場に向かう。
さっきまで人気も感じられなかった廊下に、チラホラと、同学年の連中が伺える。
なんとなく、シャワーを浴びるのに混雑しそうだな、と、思いながらも、折り返す事はしなかった。
「・・・」
着いた脱衣所で、ノロノロと、部屋着を脱ぐ。
タオルは、貸し出しもあって、俺は、そこから、バスタオルを一枚と、体を洗うミニタオルを一枚、手に取った。
籠の中には、脱いだ部屋着が、そのバスタオルが、畳まれて、入れてある。
準備は、万端だ。なんて、ほとんど用意するものなんてないのだけれど。
モザイクガラスの扉を開き、大浴場に足を踏み入れた。
「・・・、」
とても、うるさい。
湯船には、十数名の肌色が。
シャワーなんて一つも空いてない。
辛い。何もできない。
はぁ、と大きな溜め息を吐いて、とりあえず、風呂桶に湯船の湯を汲み、汗を洗い流す。
そうして、熱く感じる温度の湯が張られているそこに足を入れ、肩までどっぷりと浸かった。
「・・・ふぅ」
“さっき、学校前の駄菓子屋に行ってさー。
この辺、繁華街あるらしいよ。
てか先生って、男だけなんかな。男多くね?
おばちゃんなら居たけど。
だから駄菓子屋の話してんだよ俺は。”
そんな、やりとりが、あちらこちらで交わされている。
やかましい。
そうは、思うが、人気よりも好奇心を選んだ俺が悪い。
だから、仕方ない。もう、黙り込む他ない。
「・・・」
浅井は、まだ来ないのかな。
もしかしたら、混雑を予想して、時間をずらしてやってくるかも。
ずるい。とか、いまだに文句を思いながら、まだか、まだか、と、シャワーの方を見ていた。
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