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第14話
「…」
各々。
携帯を弄るなり何なりし始めて、幾らかの時間が経った。
こうして、ぐうたらしている間は、会話というものは、あんまり無い。
「…」
こんな感じだっけ。
友達、その言葉にとらわれるとそんな気もする。
身近な人、そう言ってみれば、無理して話す事は、あんまり無いなと。
じゃあ、話さなくても良いのかなって、思ったとても、距離を縮めるには、話易さが要るのでは?なんて、大枠ばかりを気にして、細かいところの“会話をする事”を達成できていないまま。
「……。」
なんか、無いかな。
美智留は、変わらず、仰向けになって、携帯画面に囚われている。
なんか、無いかな。
その美智留の足に触れない程度に、俺は、足を三角に折り曲げている。
「……」
殴ってみるか?
どんな反応するだろう。
会話のタネになる?
美智留は、どんな話が好き?
友達が好きそうなイメージはあるけど、なら、友達の話を聞くのが良い?
詮索されているって、逆に警戒されたりしない?
沈黙の下、俺の頭の中は、そんな事ばかり考えている。悩んでいる。
「……。」
結局、どうするのが正解で、どう動いてみるかなんて、計算する事自体、間違ってるのかもしれない。
分かった。
そう言う事か。
って、
「お前の髪、可愛いね」
普段通りの声でそう言いかけて、言った後になってから、顔面を覆いたくなるほどの羞恥を感じる。
「……。ん?そう?」
美智留は、多分、気にしてない。
気にしてないよね、そうであってくれ。
だって、何て、話してみるのが良いのか分からなかったの。
仕方ないじゃん。友達付き合いなんてした事のが少ないんだから。
居なかったとは言え、居たこともあるけどね。
小学生の低学年の時ぐらい。
何も考えずに、相手の事が嫌か嫌じゃないかをただ見極めていた時。
だから、だよ。
俺には、友達を作る才能が、クソよりも無いって事だ。
「おめぇ、なんか、女みてぇな事言うな?」
グサリ。
頭に何かが刺さったような気持ちだ。
女?俺が?男だけど、女?
また、屁理屈でも並べて自分を守りたくなったけど、
「………、全くもって男以外の何者でも無いんだけど。」
正論でしょ。
だから、それ以上、女扱いをするな。
そんな意を込めて、断った。
俺から、“可愛い”なんて言葉を使ったと言うのに、ごめんねって、普通にね。
「拗ねてんの?」
そんな言葉を返してきた美智留は、まだ、携帯画面を見つめている。
全然、余裕なんだろう、俺とは違って。
俯いて、暫く、口を結ばせて、答え返せる言葉が無くて、つい。
「ぃてっ。」
美智留の足を殴ったら、
「何だ、ボケェ!」
その足で蹴り返された。
「…。」
なんか、気持ちが少し、楽になった気がする。
いや別に、SMとかそういうお話ではないんだよ。
やったらやり返される、一回につき、一回だから、お互い様だねって、なんとなくね。
「…」
何もできないんじゃない。
やったらやられる覚悟が必要なだけ。
やられたくなかったらやらなかったら良いお話。
それが通用するのかなって、希望が見えたんだよね。今。こうして、ふざけあって。
「もう寝る」
ベッドを独占するかのようにドン、と寝転がっている美智留の左隣、壁側の方に寝転がる。
そうしたら、美智留の左側の体を踏んでしまったから、
「おめぇデカすぎだろ、!邪魔クセェ。!」
そんな事を言われてしまったけど、
「そっち寄ればいいじゃん」
もう、知らない。
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