18 / 33
第18話
食堂。
昼飯時は、全校生徒が同じ時間。
「俺、唐揚げ丼な」
「……、俺が買ってくるの?」
「うん」
「……」
「その間に席取ってくるから」
「…、あ。なるほどね」
「?」
「パシリに使われたかと思った」
「……。ま、お互いなら良いだろ」
「うん」
ガヤガヤ。
人で溢れかえっているそこで。
分かりやすい水色髪は、二人分の席を確保しにその中に混ざる。
いや、混ざるなんて言っても、見分けつきやすくて上手く混ざれていない気もするが。
俺は、券売機で食券を二枚買って、食堂のおばちゃんに向けて連なっている列に並んだ。
「…。」
早くしろよなぁ。
美智留は、もう席についてゆっくりしてるのに、俺が、これじゃあ、俺の方が重労働になるよ。
後々、悶々と考え事して、また精神面に影が掛かる。
納得したって、納得できない理由を探していたらキリがない。
そんなこんなで美智留とは、時折、言い合いになったり、睨み合いになったりしてしまうのだろうね。
「お待たせ!よく食べて元気出してね!」
食券を渡せば、すぐに作ってくれて、出来上がった食事が出てくるのも、とても早い。
「…」
ぺこ。
頭だけ下げた。
「うん」
おばちゃん、と言ったけど、おばちゃんにしては若い見た目の食堂の《《お姉さん》》が、微笑んで頷いた。
手前に置かれている食事が乗った二枚のお盆を両手に、水色の髪、目掛けて足を動かす。
「おっせーなぁ。腹減ったぁ。」
近づいた途端、美智留は、ムスッと不機嫌そうに顔を歪ませてそう言う。
「仕方ないでしょ。お前こそ、列に並ばないで食べれるんだから俺に文句言わないでよ。」
俺もそちらに睨み目を向けながら、伝染するように文句たらたらになってしまった。
別に、列に並ぶ事に関しては、何も嫌な思いをしていなかったと言うのに。
「わーったよ。もう言わん。」
すんなり。
ほんとに、そんな感じ。
美智留は、言い合いに蹴りをつけるのが早い。
「…。」
だから、俺の口も、閉ざされる。
「いただきます」
「……。」
手を合わせてそう言った美智留の隣で、俺は、無言のまま、カツ丼を食べ始めた。
ともだちにシェアしよう!

