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第21話

人類、動物、惑星、その他諸々。 生まれるには、自然の原理が必要で。 そこのところは、未だに、神秘にされているままだ。 地球がオシャレに見えるように、人は、特に、オシャレに、特化している。 地球が発光しているかのように電気を操り着飾らせて、死者で溢れてしまわないよう火葬を思い立って清掃し、でも、お別れする寂しさを分け合うために宗教を作り出して、人を愛する、と。 しかし、現在、その宗教を広げる為にも争いが行われていて、人々は、宗教自体を疑問視している。 きっと、人々は、誰しもが平和を望んでいる。 『良かったねー』 僕が、幼少期、兄にメダルをかけ、自分の成果を分け与えたにも理由がある。 僕達は、きっと、誰かに愛されたいだけなんだと思う。 「うめ」 十皿は、平らげている。 さっき、昼食を食べたばかりだと言うのに、まだまだ俺と美智留も、これからだと言われているかのような気がする。 誰に。 分からないけど。 「…何で100円で食べれるんだろね」 一皿100円。 主婦だけじゃなく学生にも優しいお値段だ。 思って、つい、そう、呟いてしまう。 そうした訳は、今は、一人じゃないからで…。 「この料金で、うめぇ寿司が食えるなんて、俺らも愛されてんだなー、って、思う」 カウンター席で、また隣同士。 味噌汁を啜りながら、美智留は、そう言う。 「なんか、いつだったっけ。ぺろぺろ事件とかあったよね」 「あー。な。あれは悪ぃわ」 「あんなぐらいじゃ来なくなんてならないけどね」 「まあな。今食ってるしな」 「ね」 やめなさいと言って、やめられたなら、それで良いんだよ。 再熱してしまうことを危惧する必要もあるけどね。 犯罪は、ルール違反は、癖になってしまうんだよ。 一度じゃ済まないだろうなって、理解することも自分を守る為になるはず。 「…んー、」 湯呑みをよく見て、粉末タイプのお茶の注ぎ口を見る。 多分、唾液に濡れた気配は伺えない。 だから、使う。 だから、大丈夫。 そんな感じで、二人分のお茶を注いだ。 「ん。ありがと」 骨ばった色白のでかい手が、その湯呑みを受け取る。 「…、」 美智留は、俺のように気にもしないまま、ごくりと一口、すぐに飲んだようだ。 もっと危機感を持てよ。 なんて、なんか、言うのも躊躇ってしまうぐらい、美智留にも躊躇がなかった。 「……」 「ん?」 「…、いや、綺麗に食べるなぁって」 「俺?そ?」 「もぐもぐマンって呼んで良い?」 「は?何?もぐもぐマン?」 「なんかもぐもぐしてるから」 「…。もぐもぐするだろ普通。じゃなきゃどうやって食うんだよ、おめぇは」 「……。ね」 「何の話だよまじで」 こんなに美味しそうにもぐもぐ、食べる人を間近で見たのは、初めてだ。 そもそも、こういう友達が居なかったって言う理由もあるけど、なんとなく、見惚れてしまうと言うか。目が釘付けになると言うか。 「……」 「……」 俺は、箸を皿の上に置いて、左隣をじっと見る。 美智留は、ぽんぽこ届く寿司を次々食べて、皿を重ねていく。 「うめ」 ふーん。 マグロが好きなんだ。 あー、中トロ。 ふーん、大トロじゃないんだ。 間が良いんだね、やっぱ。 「…、…。………」 「……」 「…」 俺の視線に、ようやっと気付いた美智留は、二、三度、こちらに視線を向けたり向けなかったりした後、無言で、俺との視線をジィと合わせる。 「「何?」」 お互いだ。 見事なシンクロ。 気持ちいいぐらいの。 「俺の食い方、変?」 「いや、変ではない、気になったけど」 「何が?どこが?」 「だから、もぐもぐしてるなぁって」 「…。ふーん」 ようやく美智留が変に思ったようだ。 まあ、そうか。 食べる姿をまじまじ見られるの、嫌だよな。 気付いた俺は、そちらから視線を戻し、また背もたれに深く凭れ掛かり、 「……」 携帯画面を点けた。

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