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第22話
“地球の誕生”
“人類の誕生”
“始まりは何故始まった”
“何もないところから出来たイチとは”
そんな検索ばかりしても、明確な答えなんてまだ誰にも分かっていない。
ヒトは、動物は、既存の物から何かを作り出す生物で、今現在は、過ごしている。
神様と崇め立てられる何かになる為に。
そんな理由作りをして、奮闘する。
その訳は、宇宙も、何も、天上天下、全てを含めた生物の僕達が、どうやって生まれたかを知る為なんだろうね。
「うまかったー、部屋戻るか」
お会計。
美智留は、何も言わずに、全て、払ってくれたみたい。
これが、働いている、って事なんだろうな。
俺よりも、金銭的に優れてる、って事なんだろうな。
「…」
ありがとう、は、言いそびれてしまった。
でも、美智留は、何も言わなかった。
困った顔で、俺を見ただけで、うんうん、と何かを理解する為に、考えた後、ニコ、と笑って、こう言う。
「有り難うって、面白いよなー」
ありがとう。
有り難う。
有る事が難しい事。
貴重な、不慣れな、そのような、意味合いを持つらしい。
「有り難うの逆は、当たり前だって、ティックトックで見たんだよな」
「じゃあ、有り難うって言わない人は、愛される事が物珍しくなく、普通の事なんだ?」
「…、そ?」
「そうなった経緯は、評されるべきだよね」
?。
そんな顔で、俺を見た美智留は、顔を背けた後、また、ふむふむ、と頭を頷かせる。
ふむふむさんか。もぐもぐさんか。
何だか、色んなあだ名を付けたくなるよ。
「人間がご飯を食べることによって地球に|齎《もたら》すメリットは、何だと思う?」
俺は、つい、得意がちに、そんな話をしてしまう。
美智留は、また、困っているような表情を浮かべて、俺の目へと、視線を落とす。
「…美味しいだけじゃねぇの、人間が、そう思うだけ」
自信なく言われると、俺の思考にも疑問を覚えてしまう。
あれ、得意げに話そうとしていたのに、何だか、自信がなくなってしまった。
「火葬と同じだよ。多分だけど、地球上を死骸で埋め尽くさない為にも、なっているはず」
しかし、美智留が言うように、人間も、何かを食べなければ、生きていけない。
でも、わざわざ、誰かを殺さなくても、生きられる。
殺人風景は、まるで、呪い。
生物を生まれさせて食している、罰なんだろう。
そう言ってみると、そうだけれど、人が生きる為には、何かを食さなければいけない。
人類が増える事によって、消費する生物の数も増える。
ピラミッドの頂点にいるからこそできる、他の動物との、関係性の維持、生命を保つ方法、その理由すらも作り出しているのは、人間。
だから、人間は、オシャレに特化してるんだよ。
地球を彩る、そんな存在なんだよ。
「食べる事が清掃と同じって事?」
「考えてみるとそうだよね、まあ、それも人間の都合なんだけど」
「たとえば犬がピラミッドの頂点にいたとしたら、人間と同じ風に考えられたかもしれないって事?」
「人間の良さを掻き消す必要はない。人間だから今の世の中で生きられている。だって、犬とも友達だよね?人間は」
美智留は、眉間に皺を寄せて、小首を傾げる。
俺は、気になって、美智留の目に視線を上げた。
「…でもさぁ、中国じゃ、その犬も食用だったりするけど、じゃあ、俺は、友達を食ってもいいって事になんの?…食っていい?お前を切り刻んで、もぐもぐと…」
なんかすごい事、言われた気がするんだけど。
「…。自分が何言ってるか、わかってるの?」
「うん…俺は、まあ、お前でも、食えるよ」
「俺が飯に見えるって事?」
「なんて言うか…まあ、気持ち悪くないからさ、食えるよ」
「それだと俺は、お前といる時、常に恐怖に支配されてる状況になるよ」
「な…、確かに」
「ね、不思議だね?。」
恐ろしすぎるだろ、この、美智留と言うやつは。
俺は、怪訝な顔をして、美智留を見つめるが、何でだか、こいつの顔には、冗談味を感じられない。
普通に俺を食用にする事で悩んでるみたいなんだけど、馬鹿だろ、絶対。
やめろよな。
それ以外に言えないよ。
「寒気がしてきた」
「え?何で?友達だろ?」
「お前が人様を飯扱いするからでしょ。」
「お前の言い分じゃ、そうなるじゃん。」
「人様は、頂点にいるんだよ。」
「うん……、俺が頂点って事だろ?」
「やめろ。カニバは、犯罪だよ。捕まって死刑だよ。」
「集団心理こえー」
「恐いのは、お前だよ。」
動物愛護家は、行き過ぎると、自滅の道を辿る。
それぐらい理解してから言えよな。
この純真無垢な水色髪野郎め。
普通な面して脅しやがって。
すんごい真面目にらしく考えて、でもそうでしょ?なんて可愛い顔して、脅しやがって。
「…まあ、人は、人に生かされてる事実もあるんだね」
その言葉には、美智留も目を丸くさせた。
「じゃあ、結局、勝ち負けによって|齎《もたら》される人の死は、勝つか負けるかの感情的な部分でしか、得をしなくて、…人類は、自滅の道を辿ってるって事になる?」
ああ、気持ちいい。
美智留は、俺のひょんな言葉も、聞いてくれるんだ。
「競争率が高ければ高いほど、人に刃物を向けるでしょ?その人達が勝つ為に、人を殺して人が減って、残った人達同士でまた争って、……でもそれじゃあその人達も思うかな。このままではダメだって、やっと気付くのかな」
「人種は、今ある種類しかない。人類が望むに人間界その他諸々に進化をさせたいなら、その間で子孫を残す事だけがメリットになんじゃね?違う国同士で愛せるのは、両国の血を含む人間だよな?」
「…、お前、さっき俺を食うなんて言ってた人間か?」
「食うじゃない。食えるって話」
「やめてくれる。?」
「……。刺身にして、食ったろか~!」
「更に俺を恐怖で支配しようとしてるよ。泣きそうになるわ。」
美智留と歩く道のりは、一瞬だ。
寮に着いて、一旦、各々の部屋に戻り、俺は、自室のベッドに寝転んで、
「……」
口元は、さっきのお話を思い出して、つい、緩んでしまったり。
「………。」
あいつに、いつか、本気で食われたらどうしよう。
なんて、真面目に考えてしまったりした。
多分、美智留は、そんな人間じゃないけど。
うん。
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