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第27話

地球には、逆さまが存在しない。 逆さまになれるのは、地上を踏んで生きている生物だけ。 引力で重力が作動して、俺が今、地を踏めているのだとすれば、生の主導権は、地球が握っている事になる。 俺達、人間が、同族を殺し合う理由にあるのは、自然が作り出した感情だ。 ならば、自然は、地球より強いから、人間より強いその地球の生の主導権は、自然の物だ。 自然には、誰も、敵わない。 と言うのも、人間である俺が思った事で、人間が、何もないゼロから、物を作り出すことが出来たなら、それは、自然の力に匹敵する能力を得たと言う事になる。 「………、」 のでは、ないだろうか? 電気を操り、火や水ですらも使い|熟《こな》し、地球にある、宇宙にある、あらゆる物を我が物のように扱い、地球を着飾らせ、宇宙に光を届ける、そんな技術を習得した人間は、自然に対抗でもしているのだろうか。 「……」 人が他の動物を食すその罰を与えさせまいと、それは、人から人への愛情を含ませた行動たるもので、じゃあ、その感情で殺める事すら、ある意味では、愛情の具現化に繋がってしまうだろう。 「………」 人は、人の為に何が出来るか。 人種の壁は、いつ、越えられる? 美智留が言っていたように、国籍の違う両親が生成した子供は、愛されてこそ、そり立つ壁は、薄くなるのでは。 「……」 そんな気もするけど、純血が、純、日本人が居なくなるのは、何だか、寂しいのだ。 「…」 それでも、今で言う純日本人に、混血が存在しないとは言い切れない。 ハーフだと、理解できるようになった時から、ハーフは、ハーフになっただけで、きっと、遥か昔から、混血は、既に存在するのだ。 今の人種は、愛されている。 混血が、喧嘩しない混血で、尚且つ、愛を持った性格で、だからこそ、無くしてしまうのが、ただただ、辛いのだ。 「おはよ、神田君」 教室に着くや、何故か、真っ先に、浅井が、挨拶してきた。 ぐるぐる物を考えながら歩を進めていた俺は、無言で一度、立ち止まり、 「…、おはよ」 とだけ、挨拶し返した。 それ以上の、会話はない。 浅井は、浅井の“いつメン”とやらと群れて楽しみ始め、俺は、自分の席に腰を下ろす。 顔を上げていれば、黒板側がよく見えて、左手側の窓際には、今日も、楽しげに“いつメン”と笑っている、美智留の姿が見えた。 「……」 こう見ると、少し、遠い存在に見えてしまう。 一昨日、昨日と、誰よりも近くに居たと言うのに。 結局、“いつメン”なんじゃん。って、その群れの中に入った事のない俺には、それが、どのような集まりで、どのような役割を持っているのかすら、理解しようがなかった。

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