31 / 33

第31話

僕達の流行は、僕達が生まれるより前から生きている方からの贈り物。 その方達が生きた時代を、僕達は、見聞きして、新しい閃きを交えて、発信する。 最先端とは、過去の出来事があっての、創作物だ。 昔は、きっと、今より|惨《むご》かった。 それでも、今より、平和を願う力を持っていて、だから、今は、昔よりも、|惨《むご》くなくなっている。 過去を理解できる訳も、昔の人は、現在を生きる僕達に、平和を実現するように、それこそが有難い事だと伝え、今も尚、力になってくれているから、僕達が、昔の人に取れる合図は、その平和を、実現し尽くす事なのだろう。 過去があって、未来がある。 今の生き方は、どちらに依存してようが、決して命を粗末にしないならば、それだけで、良いのだろう。 「……」 今日は、よく数えた。 「駄菓子、買いに行っか」 いつになれば、美智留が側に来てくれるのかを、ずっと。 「…。どこに。」 俺は、何だか、ムスッと膨れて、そう聞く。 美智留は、んー、と暫く考えた後、大型スーパーマーケットに行く提案をした。 俺の実家の近くだから、いっそ、ついでに、美智留を家に連れ込んでみようかと、思いもしたけど、まだ、そのお話は、出来ていないまま。 徒歩にしては、少し、離れている距離にある。 この間に、行った、回転寿司屋よりも、もっと北寄りの。 マックがあって、少し、栄えているところに、デン、と大きく構えられている、そこだ。 「練り消しって食えんの?」 美智留が、唐突に、そんな話題を投げてきた。 俺は、ギョ。と疑問に思い、眉間に皺を寄せる。 「消しゴムでしょ?食べれないよ。」 何で、急に、練り消しの話になったのかは、分からなかった。 いや、そもそも、そんな、深い意味なんて無いんだろうけど、それでも、何で?と言う思いをつい、発してしまうぐらい、謎の話題だったから。 「俺、鉛筆は食ったことあんだわ」 ギョ。 俺の浮かべている表情は、まさしく、それだ。 「、何で食ったの。?」 それ以外に、言いようがない。 「友達が食ってたから、俺も食った」 所々、俺は、ひっそり、感じ取っていた。 美智留って、話しやすさが取り柄なところがあるんだけれど、それ以前の問題。 多分、こう言うタイプの事を、人は、馬鹿。と言うのだろう。 そう、美智留は、なんて言うか、なんか、心が擽られる何かを持っている、多分それが、所謂、“馬鹿。”なところ、なんだろうと思う。 「鉛筆って食えるの。?」 しかし、俺も、所謂、その馬鹿なところは、持ち合わせていて、つい、美智留と同じような言葉を、美智留に返してしまっていた。 「無理なんじゃね?揚げても不味いと思う」 ギョ。 今度は、違う意味での、ギョ。だった。 揚げる?鉛筆を? 「……どうなんの、それ」 何で、俺まで鉛筆を食う方法を考えているのか、不明だけど。 案外、気にすれば、気になる、お話だから、 「……」 美智留は、馬鹿なのか、それとも、最先端なお話をしているのか、それとも、古くからよくある事をしたお話をしてくれたのか、謎に思えば思うほど、色々と、考えてしまう。 「揚げてみる?」 その仕舞いには、いつもの美智留が、しっかりと見える。 どちらに転んでも良い、そんな話し方が、俺にとっての、美智留らしいところだ。 「…揚げるって、言われても」 寮には、キッチンがない。 だから、もし、揚げるのなら。 「……、俺の家で?」 近いから。 なんて、そもそも、家に連れ込もうかで、悩んでいたところだ。 何となく、教えたかったから。 もし、寮が使えなくなっても、俺の居場所が、美智留に伝わりやすいから、と言う、所謂、顔を合わせやすくなるから、と言う、訳。だろうな。 「おめぇん家、近えの?」 美智留は、猫の目のような、その視線を俺の首元に向けて、問い掛けてくる。 そんな美智留の目を俺は、見つめている。 「スーパーから歩いて5分」 美智留にも、聞きにくいお話があるんだ。って、何となく、思っただけ。 「近」 俺から目を逸らし、前を向いた美智留は、頷いた後、そうだけ言った。

ともだちにシェアしよう!