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第36話

店に着き、扉に手を掛けた。 そして、開く。 そしたら、腰にエプロンを巻いている、水色髪の高身長、肌色の白い、 「いらっしゃ、…、」 美智留が出迎えてくれた。 「……、おめぇ帰ったんじゃねえの?」 営業スマイルから目を丸くさせた表情に変わった美智留は、そう口調を変えて聞いてくる。 俺は、口を結ばせ、つい、微笑んでしまいながら、その脳内には、お財布の状況が思い出され、また、ついつい、踏み出そうとしていた足を止まらせ、美智留に、声を掛ける。 「何時に終わるの」 美智留は、俺をジと見つめた後、ふ、と微笑んで、答えた。 「21時」 現在の時刻は、二十時半過ぎ。 あと、三十分は、待ち惚けを喰らうと言うお話か。 「じゃあ、外で待ってる」 ふむふむ。 そう言いそうな表情になりながら、開けた扉を閉めて、広くはない駐車場の辺りで、携帯電話を点け、テキトーにネットサーフィンしながら、美智留を待つ。 案外、つまらなくはなかった。 早く、何でもいい、どうでもいいお話を美智留としたい気は、あったけれど。 待っていれば、そう出来るって、確定してるから、テキトーな暇潰しをしながら美智留の仕事終わりを待つ事が、あまり、苦ではなかった。 「…」 耳を澄ませば、小さく食器を洗う音が聞こえる。 美智留は、キッチンの外に居たから、皿洗いは、していないのかな。 バイトの経験が無いから、どこからどこまでやらなければならない事なのかも、俺には、分からない。 働いて、お金を得る事の、愚痴なんかも、聞いたって、よく、分からないだろうな。 また、美智留は、変な顔するかな。とか。 「……」 色々と、色々、美智留に関する、会話にはならない題で頭の中を埋め尽くしてしまうのは、多分、美智留の存在が、俺の中の変わり種という物の中を大きく占めているからだろうな。

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