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第6話 褥

 ラインハルトは唇が触れた時、一瞬身体を硬直させたが、すぐに両腕を彼の首に回し、自ら口を開いて彼を招き入れた。互いの舌を絡ませ、口内を探り合う。頭の芯が甘く痺れるようなキスに夢中になる中、上衣の裾から滑り込んだ手に素肌を撫でられてラインハルトは驚き、思わず口づけを解いた。 「あ……わ、っぷ!」  続けて素早くベルトを解かれて際どいところまで下衣を下ろされたかと思うと、上衣を勢いよく脱がされる。そして反応できずにいる間に肩を押されてベッドに腰を落とし、跪いたベネディクトにブーツを取られ、下着ごと一緒くたに下履きを脱がされてあっという間に裸にされてしまった。既に芯を持ち始めたモノが露わになり、ラインハルトは慌ててベッドの上に座り直すと片膝を立て、それをベネディクトの視線から遮った。 「ベ、ベン! 君、そんな重そうな鎧を着ているというのに、手際が良すぎだ!」 「貴方を前にして、もたついている余裕などありません」  ラインハルトが思わず抗議すると、ベネディクトは当然と言ったように答えた。 「君も脱げよ。私だけ裸じゃ恥ずかしいだろ」  ラインハルトが初めて裸身を晒す羞恥心から憮然として言い、騎士はもっともだというように頷き、マントや鎧を外した後、上衣を脱いで床に投げ捨てた。そのまま下穿きに手をかけ脱ぎかけて、先ほどの情熱的なキスで自身のモノが兆していたことに気付き、思わず苦笑し、躊躇なく脱ぎ捨てた。  そして……同じく裸になったベネディクトがベッドに乗り上げたが、先ほどまでの性急さとは打って変わってラインハルトを優しく押し倒す。  騎士が王の貌の両脇に手をついて見下ろすと、蜂蜜色の髪に縁どられた彫像のような美貌があった。その澄んだ琥珀色の双眸に見つめられ、吸い込まれてしまいそうな錯覚を覚える。 「……貴方は美しい」 「君も美しいよ、ベン」  僅かに目を細め、自身を賞賛したベネディクトを真っすぐに見返して、ラインハルトが宣う。騎士の鍛えられた肉体も夜空の色の髪も暗緑色の瞳も、微笑む時に見える皓い歯も、王はいつも美しいと思っていた。  賛辞にベネディクトは笑い、再びラインハルトに口づけた。唇が重なり合うだけで、彼の下腹は熱を増していく。 「!!」  最中、熱の昂りを直接握られてビクリと身体が撥ねる。  ――あ、あ。ベンの大きな手、が。  騎士の剣を扱う武骨な手が、掌全体で包み込むようにしてラインハルトのモノに刺激を与え始めた。緩急をつけながら何度も扱かれればたちまち反応してしまう。 「ふっ……う、……」  上下に扱かれながら先端を親指で擦られると、ラインハルトは相手の唇で塞がれている口から小さく息を漏らし、切なげに眉根を寄せた。彼のモノが少しずつ固くなっていくのがベネディクトにも分かり、主への愛しさで堪らない気持ちになる。  ――もっと気持ちよくなってほしい。  そんな思いに衝き動かされてベネディクトは口づけを解いて彼の白い首や胸、腹にキスを落としながら下へと降りて行き、下腹の昂りを口に含んだ。 「なっ……あ、ベン……!」  驚き、反射的に引こうとした腰を捕らえ、しなやかな腿をガッチリと抱え込み、唾液を塗りつけるようにして吸い上げるとラインハルトの身体がビクビクと震えた。もっとして欲しいというように髪を掻き回されれば、より激しく舌を動かす。  やがて、下腹部が不規則に痙攣し始めたのを感じ、ベネディクトは慌てて口を離した。同時に限界が訪れ、放たれた熱い飛沫が騎士の顔にかかる。  息を乱して少しの間、放心していたラインハルトはふとベネディクトの方を見て、彼の顔が自身の白濁で汚れているのに気づき頬を染めた。 「ベン、ああ、もう! 目に入ったら大変だぞ。ほら、使え」 と身体を捻ってベッドサイドテーブルからタオルを取り出すとベネディクトに投げる。 「ありがとう」  タオルを上手くキャッチしたベネディクトは礼を言って顔を拭い、拭い終わると彼は改めて目の前に横たわった王をじっと見つめた。ラインハルトが居心地悪そうに目を逸らす。 「そんなにまじまじと……見るな……」 「何故? 貴方は綺麗じゃないか」 「恥ずかしいだろ……」 「フフ……」  まるで十代の若者のような物言いに思わず笑いが込み上げて来て、ベネディクトは肩を震わせて笑った。

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