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第11話 番外編 大将軍の愛玩宦官
初めて抱いたのは、まだちいさな旅団を任せられていた少年中隊長だった頃だった。
その頃は愛玩宦官ではなく副官だった。
身分の低さを無視して取り立てて副官にしたのはその能力ゆえだったが、抱いたのはただ欲しかったからだった。
無名の兵士を見出し、部下にした。
目をかけ、地位を与え、結果を出させた。
しばらくして、自分の屋敷に呼び出し、そこで抱いた。
女しか知らない身体を。
いつもは女を組み敷き、大いに鳴かせているだろう武官を四つん這いにして背後から犯した。
慣れなさすぎて、苦痛に喘ぐ、それが良かった。
それでも初めてのその夜の最後には後ろで達した。
その哀れな声を忘れたことはない。
身分の差、恩義からも断れないことは分かってた。
男を誇る軍人が女のように組み伏せられることの屈辱も分かってた。
だから秘密にしてやった。
自分からすれば誰を寵愛しているを知られようと構わなかったのに。
むしろ自分のモノだと宣言してやりたかったくらいだ。
秘密にしてやったのは思いやりだった。
でも、野営のテントで外の護衛にバレぬよう、声を殺す副官を犯すのはそれはそれで、たまらなかったし、何食わぬ顔で涼しげに昼は傍に控えるその顔が、夜は自分の突き上げに狂うのは格別だった。
そこで感じることを嫌がる乳首も何度も何度も可愛がって、そこで感じて達するようにしてやるのも、中だけで感じ、射精さえせずにイけるようにするのも楽しかった。
才能の面からも身体の面からも、部下としても愛人としても手放してやるつもりなどなかった。
必要な時に何時でもすぐに来れるように、と自分の屋敷の中に離れもつくらせた。
確かに極秘作戦もそこで練りあったが、何度も何度もそこで犯しもした。
口ですることだけは許してやった。
咥えられるのも咥えるのも嫌だと、強く拒否された。
それくらいは構わない。
でも後ろで何度も女のようにイカせた。
たくましい身体。
引き締まっていて、無駄な筋肉は何一つない。
武神のようと言われるその美しさ。
劇に出てくる英雄のようだ、誰もが言う。
だが女のように乳首を齧られ嬌声をあげ、脚を押し広げ犯され、涎を流して感じ狂うことは誰も知らない。
同じ17歳で出会いすぐに部下にし自分のモノにした。
22歳の時今上帝が起こした反乱に加担し、軍を制圧し、異例の出世で大将軍となった、副官はずっと付き従ってきた。
今上帝とはどこか通じあうところがある。
少なくとも今上が生きてる間は裏切るつもりはない。
副官を犯しているのもバレていた。
当時は誰にも気付かれていなかったのに。
「こういうのが好みか」
副官が居ない隙に囁やかれた。
意味は分かった。
その時はまだ今上は地位の低い皇子の一人に過ぎなかった。
「ええ」
涼しい顔して答えた。
ニヤリとまだ皇子だった頃の今上が笑った。
「どうするんだこの先?」
その問いは、未来の話だった。
権力を握ったその後の。
妻を娶らねばならない、副官も今のようには置いては置けない、その後の。
「どうやってでも傍に置きます。アレは私のモノだ」
そう言い切った。
「面白い」
皇子は笑った。
「私の好みで無くて良かったな」
それはその通りだった。
皇子の頃から今上は気に入れば誰のモノでも奪ったからだ。
たまたま、副官はそういうタイプにはなり得なかった。
今上は男を使うならもっと中性的な方がいいという意味ではその頃から何も変わってない。
皇子と組んで国を掌握した。
沢山殺した。
副官と共に死にものぐるいで抵抗する敵達を力でねじ伏せた。
楽な戦いではなかった。
でもその狭間でも、副官を抱いた。
明日死ぬかもというその時には、副官も素直に快楽に狂った。
女を抱かせなかったから、自分相手に発散するしかなかったのもあるだろう。
副官が遊郭に行く時は、その部屋で待つのは将軍だったのだ。
遊女ではなく、自分が鳴かされていたのだ。
修羅のように将軍の隣りで、死体の山を築く副官が、その時には将軍の上で後ろに咥えこみ、自ら腰を振って達していた、女のように声をあげて。
いいっ
いいっ
いくっ
そう鳴くまでになっていた。
下からうしろを突き上げたなら、
もっと
もっと
と欲しがるようになっていた。
満足するまで愛してやった。
同時に関係はバレ始めてはいた。
だが凄まじい勢いで権力を掌握していく将軍と、その副官に何も言える者はいなかった。
新しい帝が誕生し、大将軍が任命された。
だが副官には地位が与えられなかった
傍に置きたいからだ。
地位を与えたなら、邸も与え、妻も与え、領地も与えなければならない。
そうすれば、傍に置けなくなる。
副官は珍しく怒り狂った。
「命も何もかもを賭けてあなたに尽くした。なのに!!」
その怒りは正当だ。
地位のない男が武官として立身出世を夢見た。
抱かれることを引きうけたものも、そのためだったのは事実だろう。
なのに何も与えられなかった。
大将軍はその怒りを理解していたが、地位も名誉も与えるつもりはなかった。
その怒りを無視して、強引に抱いた。
流石に反撃はして来なかったが、初めて抵抗された。
反撃しないのは単に【反逆罪】を恐れているからだけだと分かっていた。
抵抗くらいは気に止めなかった。
本気で逆らえないのは分かってたから。
手足を縛り犯した。
唇を噛み締め、悔しさに戦慄く身体はそれでも感じてイキ狂った。
気を失う程犯してから、放置した。
逃げられるのも想定内だった。
恨みに兵を募って本当に反逆するのも。
たしかに副官は有能だったが全ては想定内、反逆したところで、だった。
反乱は数日でおさめられ副官は反逆者として、大将軍と帝の前に連れてこられた。
「どうする?」
帝は面白そうに言った。
「見せしめとして去勢し、愛玩宦官として私の愛玩品とします」
もう随分昔に決めていたことを大将軍は言う。
傍に置くにはそれしかないとわかってた。
これで誰にも憚らず、手元に置ける。
帝だけが笑った。
大笑いした。
他のもの達はその凄まじい見せしめに蒼白となっていた。
誇り高い武将を愛玩宦官にまで堕とすとは。
王朝が始まっていらい聞いたことのない惨い話だった。
副官が感情が消えた目で大将軍を見つめる。
尽くし上げた結果がコレだった。
武官としての名誉も功績も何もかも全てが奪われた。
一族郎党を助ける、とは大将軍は言った。
それは新しい枷だった。
自ら命を絶たせないための。
そこまで計算されていた。
「そこまでして、傍に置きたいか」
帝だけは面白くてたまらないと笑ってた。
この今上とは気があう。
大将軍のことを本当に理解しているのは帝だけだ。
「ええ。死ぬまで私の傍にいるといい」
それは他の者からは、残酷な処罰なのだと思われた。
酷いことだと。
全てを剥ぎ取り、性器まで切り落とし愛玩品にするとは。
帝だけが、これが愛の告白なのだと理解していた。
フラフラと副官が崩れおちた。
支えてやれないことを大将軍は残念に思った。
出来るだけ男性性を残すように配慮され、それでも男性器は確実に切り落とされることになった。
切り落とされる前に、大将軍はそこを愛してやりたいとは思った。
そこだけは拒否されてもゆるしてきたからだ。
口でそこを可愛がられることも、口の中を犯されることも副官は拒否してきた。
僅かばかりの意地だったのだろう。
女のように喘ぐくせに。
愛してたから、可愛く思ってそれを許した。
手術の前の完全な身体を全身愛してやりたい、とも思ったがやめた。
あそこを咥えて鳴かせてやりたいとはずっと思ってたが、そうしなかった。
愛してたからだ。
ひとつくらい望みを叶えてやってもいい。
男の部分を口で愛してやらなかったことくらい構わない。
どんなにそれを望んでいたとしても、だ。
大将軍は副官を愛していたのだ。
本当に。
手術の失敗は許さないと業者に告げた。
門外不出の技術で、失敗はほぼ無いとは知っていたが、死なせる訳にはいかなかった。
手術の成功も聞いた。
快復までには長いことも知っていた。
でも待った。
その日連れて来られた元副官は、ストイックな官服に似た衣装を着せられ、まるで凛々しい文官のようだった。
だが美しい筋肉のあるその肉体が服の上からもわかり、手術がその美しさを損なってないことがわかって、将軍は安堵した。
「ご主人様、懸命にお仕えさせて頂きます」
男の低い声もそのままだった。
すぐに人払いをさせた。
書斎で二人で向き合った。
痩せていた。
痛々しい。
でも美しい男。
「お前が仕えれば一族は安泰だ」
新しい鎖でこの男を繋ぐ。
「私に出来ることならばなんでも」
その言葉は真意だと分かってる。
家族思いの男だから。
「こちらへこい」
椅子の前に跪かせた。
頬を挟み顔をあげさせる。
その美しい目の暗い光に欲望を掻き立てられる。
下衣を寛げ、ペニスを取り出す。
そこはもう大きく硬くそそりたっていた。
「口を使って私を愛せ」
命じた。
今までさせなかった事だった。
愛してたからさせなかった。意地を守ってやった。
でも今は、愛してるからその唇も喉も汚してやりたかった。
震える指をのばし、元副官だった男、いまは大将軍の愛玩宦官はそこを握り、おずおずと舌をそこに這わせ始めた。
慣れないそれに興奮した。
唇で扱かれ、息を荒らげた。
下手くそで、慣れてなくて、愛しくて。
頭を掴んで喉奥まで犯し、そこで射精した。
噎せて嘔吐くのが愛しかった。
着物を剥ぎ取り床に押し倒した。
無数の刀傷のある武官の身体はそのままだった。
そしてすぐに女みたいに弄ると鳴く乳首もそのままだった。
たまらず、舐めて吸った。
ひいっ
喉を逸らして鳴いた。
いつものように。
大将軍の元を離れてからは、女を抱いたかもしれないが、誰にも抱かれてはいないことは分かってた。
つまり、長い長い間。
こんなすぐに女のように乱れ狂う身体を飢えさせていたのだ
愛しかった。
乳首を齧られ、吸われ、まるで長いこと離れていた事も、将軍を反逆し殺そうとしていたことも無かったかのように愛玩宦官はそこで狂った。
ちゃんといつも通り胸だけで達した。
何も変わらなかった。
下衣を脱がせた時、僅かな抵抗があった。
その理由は分かっていた。
前なら快感を主張するかのようにそびえ立たせていた、堂々たるソレはもう無かった。
女をイカせ鳴かせる時に使ったそれはもうなかった。
無惨な断面は、通常の愛玩宦官より、多く残されていて、それが男性性の残存のためだということも、大将軍は業者に聞かされていた。
3分の1に切られた男根、というのがそのカタチだった。
ヒクヒクと痙攣する醜い肉片は先から液体を滴らせていた。
そこを見られて、愛玩宦官は嗚咽した。
組み敷かれて喘ぎ鳴きはしても、そういう意味では決して泣いたことの無い勇敢な武官が肩を震わせ惨めに泣いていた。
斬り落とされた悔しさに泣いていた。
大将軍はこの男が愛しくてたまらなかった。
男でありたかったその無念ささえ。
醜いココもいやらしくて可愛いと思った。
短く無惨な残存を口に含んで吸ってやった
愛玩宦官の全身がそれに反応した。
腰が揺れて、上半身が反り返る。
やめろ
やめてくれ
哀願された。
表面上の服従を捨て去って。
そこだけは嫌だ
嫌あぁぁぁ
切断されたことを思い出させ、もう男として扱われ無いことを思い出させ、それでもそこが感じることを思い知らさせた。
切断面を舐める。
そこから液体が滴る。
ずっと精液も飲んでやりたかった。
でもここからそれが出ることはない。
でもそれが良かった。
この醜い切断面が愛しい。
自分だけのモノになった証拠だから。
他の愛玩宦官たちとは違う、短く切られたようなそこは、だからこそ咥えられることもできた。
音を立てて吸ってやれば、髪を掻きむしって叫んでいた。
やめてくれ
お願いだ
ひいっっ
「切り落とされて。もう男ではないな」
そう囁いて更に愛してやった。
もう勃起はしないがヒクンヒクンと生き物のようにそこは蠢く。
それを甘く噛んだ。
ひいっっ
あひぃ
カクンカクンと揺れる尻が可愛かった。
嫌だ違う嫌だ、返せ、嫌だダメだ嫌だぁぁああ!!
泣き叫ぶ声が愛しかった。
切断されたペニスこそ、完璧だった。
コレで妻を望んだりもしない。
子供も作れない。
離れる理由が何一つない。
この身体にして良かったと心の底から大将軍は思った。
離れてる間に女を抱いたのなら尚更切り落とす必要があった。
舐めて吸って、唇で扱き、そこだけを何時間も楽しんだ。
精液が出ないのに、射精感は残っているらしく、愛玩宦官は
出る出る
と何度も泣きわめいた。
実際は切断面から液体を零すだけだったけれど。
その切断された肉片を将軍はこころゆくまで愛した。
大将軍のために作られた愛の印だったから。
もう2度と離さないことを教えるために喉も何度も犯した。
愛してるからしなかったことを、今は愛してるからしていた。
もちろん後ろも愛した。
長くして貰えなかったそこは、大将軍を覚えていて絡みつき強請りしぼりとってきた。
嫌だ嫌だ
と泣いていたはずのに、上に乗せれば愛玩宦官は自分から腰を振り、後ろで大将軍のモノを扱き上げてくれた。
「愛してるよ。ずっと一緒だ」
何度も囁く大将軍と
クソっ
許さない許さない!!
ああっ
いいっ
そう泣きわめきながら、大将軍の上で淫らに腰を使う愛玩宦官。
「傍に置く。ずっとだ」
大将軍は笑った。
それは帝のあの笑顔に似ていて、無邪気で残酷だった。
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