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第12話 帝の初恋
帝の様子がおかしくて、少年宦官は戸惑った。
この何日か本当に帝がおかしい。
何もされないで抱きしめ眠ったあの日から、帝の様子が変わった。
頬を両手で挟んでやたらと顔を覗きこんできたり、事後、髪を撫でながら抱きしめてくるのが、前までは良い抱き枕のような感じだったのに、何か、こう、抱きしめる強さにさえ、気を使っているような・・・
抱き方も変わった。
前ほど追い詰めて来なくなった。
前ほど、ではあるが。
後ろを突き上げられ、わけがわからなくなり、怖くて怖くて、
おゆるしください
ゆるし・・・
こわい
こわいいい
と泣き叫んでたら、腰の使い方を変えられ、ゆっくりそこで動いてくれ、
「怖がるな・・・何故怖がる?・・・オレがいるだろ?」
不思議そうに言われて、優しくキスまでされた。
少年宦官にしてみれば、帝だからこそ尚更怖いのであって、帝がいることは何一つ恐怖の軽減には繋がらないのだが、帝にはそれは分からないらしい。
そうそして、【朕】ではなく【オレ】と言うようにもなった。
二人だけの時は。
ゆっくりされて、甘やかすようなキスまでされて、少年宦官は溶けるように感じた。
恐怖ではない甘さに。
それが後ろの穴を甘く疼かせる
穴がそこにいる帝のモノを甘く締め上げる。
帝は呻いた。
「絡みつかせてくるか、なるほど、こうすればお前はこうなるのだな」
帝は低く笑った。
今度は延々としつこいまでにゆっくりされて、今度はそれが耐え難くなり、結局少年宦官が泣き狂うことにはなる。
ゆっくり無理です
むりいい
また泣く
「ワガママだな。良い、許してやろう」
帝は笑い、結局激しく突き上げられ、イキ狂わせられる。
でも。
でも。
確かに。
感じることの怖さは減ってきた。
少なくとも帝が止める意思を見せ始めたからだ。
それは安心感を与えてくれた。
安心感。
少年宦官の人生になかったモノだ。
脚を広げられ、向かいあって突き上げられている時、帝の背に腕を回し、縋り付くようなことさえするようになった。
初めてそうした時、帝は笑った。
えげつない責めをしている最中とは思えない、少年のような顔で。
「怖いなら、つかまれ」
囁かれた。
信じられないほど優しい声だった。
でも、笑顔で更に狂ったように突き上げられ、
もう無理、もう無理いいッ
だめっ
ああ、だめぇええっ
そう叫んで泣いたけれど、確かに許してとは何故か言わなかった。
「ダメじゃないだろ、気持ちいいと言え」
まるで市井の青年のような口ぶりで帝は言った。
気持ちいい
気持ちいいっ
いいっ
少年宦官は命令だからではなく、そう言っていた。
何故か。
「そうか。気持ちいいか」
帝が嬉しそうだった。
まるで恋人のよう。
でも。
でも。
帝が一番好きなのは少年宦官の切り落とされた断面を愛する時で。
そこは帝と少年宦官が決して恋人なんかではないことを思い知らされる場所で。
愛玩するために切り落とされた場所で。
おゆるしください
おゆるし・・・ああっ
ひいつっ
だめぇっっ
ゆるし・・・
どんなに哀願しても、帝はそこだけは譲らなかったし、少年宦官はそこで、後ろ以上に感じながら、自分が愛玩宦官だということを思い知らされるのだった。
「オレのだ。オレの」
帝は唸り、そこを舐め啜り、歯をたて、穴を舌先でつつく。
滴る液体を零さないかのように舐め取り続ける。
そうされると少年宦官は頭がおかしくなる。
切り落とされた時の激痛のように快楽がやって来て止まらないからだ。
恐怖
快楽
入り乱れる
ゆるし
ゆる
ゆるしてぇぇ
「ダメだ」
そこだけは絶対に帝は許さなかった。
何度も何度もそこでイカされることだけは止めてもらえなかった。
ガクガク震えて、虚ろになるまでそうされる。
結局泣くだけ泣かされることには変わりはないが、それでも。
それでも。
帝自体を少年宦官は恐れなくなっていた。
帝が与える快楽には恐ろしくないものもある、と言えるくらいには。
「可愛い、可愛い・・・ってどういうことだ?」
25歳にして、初恋をしている冷酷な帝が眠る少年宦官を抱きしめながら、悩んでいることなど、少年宦官は知らなかった。
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