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第3話
3話【現在】コーヒータイム
「コーヒー」
「どうもっす!」
来客者は、勝手に椅子を見つけて座っているようだった。ルシアンの椅子ではあったが、まあいいか。とコーヒーを手渡し、部屋主は近くの棚へともたれかかる。
「砂糖、入れてなかったよね。君の好みが前と変わっていなければ」
「そうっすね。好みはあんまり変わらないですね。昔から!」
そうか。と軽く返事をして、同じく黒く染められたコーヒーを啜る。甘いものが欲しくなるが、残念ながらここにそんなものは持ち合わせていない。
「街の方に新しくケーキ屋ができたの知ってます?すごく美味しいらしいっす」
来客者も同じことを考えたらしい。そしてここには甘いものなどないことも知っているようだった。
「へえ。行ったことないな」
「前から気になっているんですよね」
「行くなら休日にしておきなよ。また何か言われるよ」
「見回りせずにサボってるって、以前言われちゃいましたよね。勤務時間は終わっていたけど、わからないっすもんね。半分事実……」
「余計な誤解は出さない方がいい。少しずつ第三騎士団の評判も上がっているんだから」
そうですねえ。と考え込むようにリオットは再びコーヒーを口に含む。
「私服で、2人で行けば何も言われないかもっす!一緒にどうです?」
「ついていくのは構わないけど……」
「マジっすか!ルシアンさん、今日ご機嫌っすね」
「まあね。大きい仕事が終わったから」
「約束っすよ。そろそろ見回り行ってくるっす!コーヒーごちそうさまでした。ではまた明日」
一気にまくし立てるように告げて、そのまま嵐のように医務室を後にしたリオットだった。
「……え。あ、明日?」
机の上に置かれた業務スケジュールを確認する。確かに明日は休日ではあるが、そんなことまで知っていたのだろうか。はたまた偶然だろうか。
私服で。と言われたことを思い出す。
ここ数ヶ月。いや数年服を購入した記憶がない。ほぼシャツに白衣。同じ服装が楽なのだ。
しかし今回は私服でと言われてしまったので、そうはいかない。
食器を2つ分持って医務室の奥の小部屋へと向かった。ルシアンは食器を片付けながら、クローゼットに何がしまってあったのか思い出しているのだった。
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