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第14話
14話 夜から朝に
夜も更け、2階の窓から覗くと団員たちがぱらぱらと帰宅する様子が見える。
明日の朝には動けるだろうと推測していたが、本当に動けるようになるのだろうか。今日ようやく上半身をひとりで起こせるようになったくらいだ。
ドアの音がして、寝巻き姿のリオットがやってくる。仕方ないとはいえ同じ寝巻き。なんとも奇妙な感じだ。目が合い、リオットはにこりと微笑むのに対して、思わずうんざりした表情を浮かべてしまう。
「君はどこで寝るんだい?」
リオットのベッドはルシアンによって使用されている。身体が移動できるならソファーに移動しても構わないのだが、手を借りないと動けそうにないといった状況だ。
「ソファーで寝ますよ」
「明日もあるだろう。それじゃあ身体が休まらない。手を貸してもらえれば、僕がソファーを使うよ」
この際、空いているベッドがあれば運び入れた方が早いのかもしれないと思ったが、今は新人が続々と入団してきている。空いている物があるのかすらもわからない状況だ。さらに探す手間や運ぶ手間もかかるだろう。
「大丈夫ですよ」
「そういうわけにはいかないだろ?」
「……アンタねぇ……」
リオットはつかつかとベッドの前へとやってくる。
「まだ病み上がりでしょう。大人しく寝ていて下さい。元気になったら……考えます」
「……そう」
リオットの勢いに押されて、大人しくベッドへと横になる。暗闇の中、月と星々が室内を照らしていた。遠くで、シーツと衣類が擦れ合う音が聞こえた。
今日一日、ほとんど眠っていたにもかかわらず、今もまたゆっくり眠れそうだ。
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「あっ おはようございまーす!」
「おはよう。随分早起きだね」
ルシアンの目が覚めると、ちょうどリオットが朝食を運んできたところだった。あのソファーで眠れたのだろうか。ソファーの上にぐしゃりと置かれた掛け布団に目を向ける。
「朝食もらってきました。体調はどうです?」
ベッド脇のテーブルに朝食が置かれる。
パンにサラダにスープ。見慣れない理想的な朝食がなんだか眩しい。
ようやく自然と身体を起こせるようにはなった。ベッドを出て立ち上がれるのか試したが、まだ長時間は立っていられない。ぽすりとベッドにまた戻ってしまう。
あれだけの怪我で、こんなにエネルギーを消費するほどだったなんて。日々の栄養不足を痛感する。
「ダメそうっすね。自分、今日は午前中だけの任務にしてもらってるので、午後には戻ってこられますよ」
「でも昨日より体調がいい。しばらく帰ってこなくても大丈夫だよ」
「いや、言い方!……まあいいや。なんか欲しいものあります?」
「欲しいもの……」
そんなことを聞いてくれるなんて。
ルシアンは何なら持ってきてもらえるのか考える。仕事を進めたいが、これはダメだと言われているから難しいだろう。それなら魔導書を読みたいが、こちらで新しいものを購入しないといけない。ともかく時間を潰せるものが欲しい。
「本が欲しいかな」
「本っすか。自分が読んでいたのでよければそこの棚にありますよ。ベッドの近くに置いておきますね。ここに図書館があれば良かったんですけどね」
棚にある本を、リオットは両手で抱えて枕元にどさりと置いた。何か興味を惹かれるものがあるといいけど。
「あとこれ。いいものあげます。
好きに使っていいっすよ」
「……?」
リオットは嬉しそうにとある物を手渡すのだった。
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