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其の惨※
螢夜が上の棚からなにやら下ろそうとしていると、音もなく近づく影一つ―――…
×××
「ぁっ、だめ…そこは…」
くたりと横になりながらなんとか抵抗する。しかし、肌に触れられる度、そこからびりびりと快感がやってきて抵抗らしいことは出来ていない。
「怒られ、る、からぁ…」
「けいやは、隙だらけだね?」
「んっ!」
臍から身体の中心を辿って来る黄色の爪に息を詰めた。
カリカリカリ…肌を細い爪が引っ掻くだけなのに気持ちよい。これが彼の力なのだろうか?
しかし、目を見ただけで、それすらもどうでもよくなってしまう。
前のように胸を摘ままれ、気持ちよい感覚に溺れてしまいたい。
「はぁ…」
「夕刻まで二人きりだから、楽しもうね」
にこり目を細めた黄色は、はだけさせた着物から見える小さな乳首に手を伸ばす。つんと人差し指で押さえると簡単に形を変えるそこ。
「んっ」
「こんなに弱い触り方でも気持ちよくなれるのかい?余程あいつに可愛がって貰っているのか、元からなのか…」
どちらにしても、反応はないよりある方がよいに決まっている。
螢夜の背中を支えていた手をずらし、空いている一方の乳首を指の腹で擦り、押さえていた指は二本できゅっと摘まみ上げる。
「ぁあっ!ひっ…」
すりすり、ぎゅっぎゅ、こりこり
いつしか赤く尖ってみせるそこは、小さく震えもっとしてと言わんばかりに主張する。
背を反らせた螢夜は最早相手が誰であってもよくなっていた。
「ここが好きかい?」
「ん、すきぃ…」
根本を指で挟まれくりくりこりこりされると下腹部が軽く締まり、じわりじわり熱が流れ出る。
擦り寄せられる螢夜の膝を横目に見つめ、黄色は口を開いた。
「俺の腕は二本しかないんだ。けいや、どこを触って欲しい?」
「ぁっ…」
「どこ?」
とろり、惚けた顔で見つめる螢夜。どこを触って欲しい言えば、其の通りにしてくれる確信があった。
寄せていた膝を開き、震える声で小さく呟く。
「お尻の奥まで、よくして…」
「!」
其の発言に目を開いたのは、黄色の方で、おねだりでもしてくれればいいなと、それくらいに思っていた。
まさか、自分が人にくらりとさせられるとは思っていなかったのだ。
「けいやの全てを、よくしてあげる」
着物の端から手を差し込み、たらりたらり汁を流すモノを包む。竿を上下する度、にちゃにちゃ音を鳴らし、静かな部屋に響く。
はぁはぁ、一定の速さで動かされ気持ちがよい。内股がじんと痺れ続いている。
「けいや、俺に寄りかかって座ろうか」
胡座をかいていた黄色の足に座り直し、膝を立てた。
横に寝ていては両手が使えない。それを危惧しての態勢である。
「んっ、んぁっ」
「乳首は、自分で出来るね?」
首を後ろから舐められ、囁かれ、じれったさに従ってしまう。
さっきされていたように根本を摘まみ、指でくりくりこりこり中まで擦る。
「ぁっ、あ、んふっ…」
「上手だね。指先で中に押し込んで、くりくりしてみて」
「ん、ふ…ふっ…」
「頭のてっぺんまで気持ちいいでしょ」
根本を摘まむと下半身が気持ちよくなって、いやらしい汁が溢れ出したが、中に押し込んでくりくりすると頭がとろける気持ちよさだった。
「ぁっ、ぁっ、んく…」
「乳首の先に爪を当てても気持ちよくなれるよ。こんな風に…」
「ひゃぁ、あぁ!」
螢夜のモノの先に爪を当て、中に割り入るようカリッと引っ掻く。それだけでイってしまった。
「はぁ…はぁ…」
「気持ちよかったろ?」
「は、んぁ…」
「次は、お尻の孔でよくなろうか」
螢夜の吐き出した白濁を指に絡め、中指で孔に触れる。
皺の一本一本に塗り込むよう丁寧に、くるくる撫で、時折押し入ろうとしてくる。
「音、聞こえる?指を動かす度にぐちゅぐちゅって言ってるの」
「はっ、ぁ…ぃや、だ…」
その音に急に恥ずかしくなった螢夜はいやいやと首を振った。
しかし、黄色の手は止まることなくくちゅくちゅそこを擽る。
ぐぅっと胸を突き出して指から逃げようとすれば、不埒な手がお仕置きとばかりに中に入ろうとした。
「逃げないで、けいや」
「ぁっ、だって…んぁ、あーっ!」
「おや?けいやが動くから、中に入ってしまった」
「ぬ、ぬいてぇ…」
半べそになるが「入れたら、抜くよね?」なんてあっさり承諾された。
ずぬぬ…、滑らかな抜け通りで口まで下りていく。
「けいやの中は温かいねぇ。力を抜いているんだよ?」
「ぁ、は…」
くちゅ…
何事も無く抜かれた指。安堵し肩からも力が落ち、後ろに身を預け目を閉じる。
気休め程度に巻かれていた帯が解かれているとも知らず、肩で呼吸を繰り返した。
「は…はぁ…」
「あの狐とは、ちゃんとしているかい?」
「?」
「ここに、あいつのを入れて、奥まで突いて貰っているか、聞いたんだよ」
見上げた先の黄色と目が合い、小さく声が漏れた。じんと身体の芯が熱く、欲を抑えられなくなった。
「…ぁ、なに…」
黄色の指がまた孔に触れ、押し入ろうと力が込められる。凭れ掛かっていた所為か、先ほどよりもすんなり指を受け入れてしまった。
入り口をぬぽぬぽ行ったり来たり。嫌な感じはなくなり、くちゅくちゅとまたいやらしい音が立っても気にならず、それよりも全然足りないと見上げてしまう。
「も、と…」
「なにかな?」
「たりな…もっと、ほし…ぁぁ…」
「おやおや、君と俺は相性がいいようだね?指を増やそうか」
「ふ、あーーっ」
ぐちゅちゅっ、増やされたそれが先ほどよりも奥に入り込む。今度は抜き差しせず、根本で孔をずんずん押され、なにやら身体が声が言うことを聞かなくなる。
「ん、んぁっ、ぁぁっ、はぁぁっ――」
「あぁ、君の身体は本当にいいね。俺が突く度にびくびくと中が締め付けて放さないよ」
ずんずん、ずんずん指で突かれ隙間からはぐぷぐぷ恥ずかしい音が立った。
時折中から前を押され、射精感とは別のモノがこみ上げてくる。
「あっ、まっ、て…はっ、んんっ、ぁっ…それ、だめ…!」
「んー?なにがだめなのかな?」
「はっ、はっ、ぁっ…だめ、でる、からっ…んあぁ!」
「出していいよ?」
止めてと言っても分かっていないのか態となのか、ずんずんぐいぐい指を突くのを続けられてしまい訳が分からなくなる。
「でるっ、でちゃ、ゃ…やだっ…」
「だから、いいよって」
「ちが、ちがうぅ…ぁっ、かわや、かわ、ゃぁぁっ――…」
真っ赤に染めた目元からぽろぽろ大きな雫を溢し、必死の訴え虚しく我慢できなかったと黄色の着物を掴み、しょろろ…白濁でない黄色く透明な水が流れ出てしまう。
「あぁ、催していたんだ。気づかないでごめんね」
本当に気付いていなかったのか、はたまたわざとか。しかし申し訳なさそうに眉だけは下げ謝った。
漏らしてしまった衝撃に泣いて固まってしまう螢夜の顔を黄色が自らの袖で拭い、綺麗にした。
「今日は、ここまでにしようか」
「は、ぁ ぁ…」
放心状態の螢夜から指を引き抜き、風呂へと向かうのであった――――
その後、螢夜は十日ほど背後に気をつけ、黄色に近づこうとも目を合わせようともしなかった。
(なんだ、もう宵永に可愛がって貰ったのかい)
(!)
(もう一匹にも、可愛がって貰うといい)
(!!)
桃色とも十日ほど口を聞かなかった。
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