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市川先生×夏樹(第3話)
(なんか、また変態教師に乗せられてるよな、俺……)
さり気なく挑発されて、それに乗って失敗する……というパターン、これまで何回も経験しているはずなのに。年齢の差なのだろうか、どうも市川の掌で転がされているような気がしてならない。
とはいえ、そうやっていいように転がされている自分も決して嫌いではなかった。変態教師に開発されてしまったのはシャクだが、きっとそういう運命だったのだろうと今は諦めている。
(……でもこれ、どうしよう)
失敗してしまった大量のケーキ。さすがにこれをデコレーションして持っていくわけにはいかない。市川に笑われてしまう。
改めてキッチンに目をやったら、ますますテンションが下がってきた。こんな汚れた場所を自分一人で掃除しなくちゃならないなんて、それだけで気が滅入る。先生のためにチャレンジしたことなんだから、先生も片付けを手伝ってくれ!
しょうもないことを考えつつ、のろのろと腰を上げる。
「……はあ」
当日のケーキ、どうしようかな……と悩みながら、夏樹はキッチンタオルを取った。
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