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市川先生×夏樹(第9話*)
「お、やっぱり反応してる」
「や、やっぱりとか言わないでください!」
「褒めてるんだぞ? 感度良好ってさ」
「そんな受信機みたいな褒められ方されても嬉しくないです!」
「あれ、『感度良好』って言葉知ってたのか。今の子はラジオなんか聴かないから知らないと思ってた。さすが夏樹、博識だな」
「……はあ、どうも」
毎度思うのだが、市川は褒める場所が若干ズレているのではなかろうか。
「……ていうか、そんなにジロジロ見ないでくださいよ」
剥き出しになった股間を凝視されて、夏樹はもじもじと太ももを擦り合わせた。恥ずかしさにじわりと体温が上がり、胸の鼓動が早くなってくる。
いやらしく下腹部を撫でながら、市川が口を開いた。
「夏樹の身体って、いつ見ても綺麗だよな。毛も少ないし。なんか手入れとかしてるの?」
「いや、特には……」
「じゃあ、もともとの体質ってことか。いいなあ、ツルツルのすべすべで」
「今更何言ってるんですか。毎日飽きるくらい触ってるくせに」
「まあそうなんだけど。こうしてじっくり見ると、やっぱ綺麗だな~と思ってさ」
「……はあ、そうですか」
「でも、さすがに下の毛はちゃんと生えてるのな」
「あっ……当たり前でしょうが! この変態!」
いくら体毛が薄くても、生えるべきところにはちゃんと生えている。未成年ではあるけれど、いつまでも子供の身体ではないのだ。
「だよな……うん、そうだよなあ……」
市川はしばらくブツブツ呟きながら、きわどいところを撫でていたが、
「あ、そうだ!」
何かを思いついたのか、身体を起こしてソファーから離れた。とてつもなく嫌な予感がした。
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