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第7話
「貴方に払わせたら、もう会ってもらえない気がするんで」
「───── え?」
「俺に払わせてください」
言いながら伝票を手に取った。
「その代わり、次は貴方に奢ってもらえますか?」
·················次?
「えー···と、次っ、て···?」
「行きたい場所があったら教えてください。牧野さんの興味がある場所、好きな事、知っていきたいんで」
「俺、の···?」
静かだが、言い切る強さを感じる言葉に返せる言葉が見つからない。
何を言われているのか、処理するまで時間がかかる。
まさか、また会いたいって言ってくれてる?
俺に?
「連絡先、交換してもらえます?」
今の今まで無愛想無口だったくせに、突如柔らかな微笑みを向けられ、気づけば泉さんのアカウントが画面に···。
これも、と差し出されたのは名刺だった。
MINAMOTO ARCHITECT OFFICE
代表代理
一級建築士
泉静
事務所名、肩書き、資格、氏名、ホームページのアドレスや住所と電話番号がシンプルなデザインの名刺に刻まれている。
それから上着のインサイドポケットからペンを取り出して、名刺の裏側に何かを書き始めた。
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