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考えろよ
「何を笑ってるの?」
「篠山、考えろよ。筆箱の中が全部消えるなんてあり得ないだろ?落としたなんて普通は考えないだろ?樫井君は本当に落としたのか?」
「うん。たまに家でも物がなくなったりしていたからきっと僕が何処かにしまったか落としたと思う。」
「うわぁ〜。マジで言ってんの?篠山、ちゃんと教えてやれよ。多分誰かに隠されてんだよ。」
「うん。君達じゃないよね?」
「そんな事はしないけど見て見ぬフリをしたから同罪でもある。だから教えてやったんだ。犯人は知らない奴だったけど同じ学年だ。俺達が言ったて言うなよ。」
犯人?
隠された?
僕が筆箱の中を眺めながら首を横に傾げると凛君がシャーペンと消しゴムを目の前に置いてくれた。
「これは、僕のじゃないよ。凛君。」
「分かってるよ。でも授業が始まるから放課後にでも探そうね。それまでは僕のを使っていてよ。」
「うん!凛君、ありがとう。僕がドジだからごめんね。」
そう言って笑うと凛君は僕の頬にソッと触れて悲しそうに笑った。
僕がドジだから凛君が悲しくなったのかな?
呆れちゃった?
せっかく親切にしてくれてるのに僕・・・ごめんね凛君。
「雅は悪くないから僕が力になるからね。」
「あっ・・うん。ありがとう!」
良かった。
凛君は呆れてなかった。
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