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放課後

颯斗君は少しだけ先生に用事があるから教室で待つようにと言っていたけれど僕が失くしたものを探すと言うと用事が済んだら携帯に連絡をすると言ってくれた。 「見つからないね。」 「ごめんね。凛君。」 「大丈夫だから探そうね。僕達はもう友達だからね雅。」 「友達・・・うん、ありがとう。」 凛君は僕に付き合って一緒に探してくれている。 凄く優しい凛君。 颯斗君以外で始めて出来た友達。 僕は凄く嬉しくてなんだか少し恥ずかしい気持ちになった。 「凛、何してんだ?」 「綺里(きり)!」 颯斗君より身長があって凄く体格も良い。 同じ教室には居なかったけれど凛君のお友達だよね。 下の名前で・・・呼び捨てしてる。 チクリッ! 何? 胸が針で刺されたように痛くてモヤモヤして来てキリと呼んで頬を染めながら楽しそうに笑って話をしてる凛君を見たくない。 これはなんて言うの? こんな事になるの初めてでどしたらいいの? 颯斗君の時は胸が苦しくなるくらいで見たくないとか思わなかったのにどうしてなの? 凛君がキリって人に触れている。 嫌だよ! 凛君が他の人に触れるなんて嫌だ!

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