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驚き

颯斗の部屋の前だけれどドアをノックすると指先に響くよな? 少しだけ躊躇したが俺は我慢して部屋のドアを軽くノックした。 暫く待ってみたが聞こえていないのか返事もドアが開く気配もない。 クソッ! この俺がこんな怪我の痛みで助けを求めるなんて情けない。 道具や薬品類が無いから仕方がないと言えばそれまでなんだがこの家に来てから怪我とかには無縁だったからだ。 「雅、何してる?」 背後から聞こえて来た声に俺は振り向くとそこには驚いた顔をして颯斗が立っている。 俺が声を発する前に颯斗が言ったんだ。 「烈、どうした?雅に何があった?」 「どうして分かるんだよ。俺が雅じゃないって、それは後でいいや。なんか、傷の手当てするもん無いか?うわっ!」 「足と手どうした?とにかくリビングに行くぞ。」 「なっ!降ろせ颯斗!イタッ・・・なんだよこれ・・降ろせよ。」 俺は軽々と颯斗に持ち上げられてお姫様抱っことかされてしまっている。 こんな事をされた事ないし優しく声を掛けられた事もないから戸惑いと恥ずかしさで顔が熱くなる。 それに間近で颯斗の顔を見るのは何故か胸がザワザワしてくる。 俺は変だ。

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