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リビング

降ろせと言っても無言のままリビングへと向かう颯斗。 暴れると指先や右足が痛むから俺は仕方なく颯斗にお姫様抱っこして貰っている。 なんだよ。 本当になんだよこれ! 煩いんだよ俺の心臓!! 少しは静かにしろよ俺の心臓!!! 「颯斗様、雅様、どうなさいましたか?私が代わります颯斗様。」 「いい。それより主治医を呼べるか?」 「かしこまりました。直ぐにお呼び致します。」 執事が慌ただしく主治医を呼びにどこかへと行ってしまった。 主治医とか呼ばなくてもこれくらい自分で手当て出来るんだけど余計な事を言うとまた颯斗が何をするか分からないから大人しくしてよう。 リビングに着くと颯斗は俺をソファにゆっくりと降ろして隣に座った。 「痛いだろ。」 「この位は平気だ。」 「平気って、そんなはずないだろ?」 「普通の人なら痛いだろうけれど俺は痛みを受けるために居るんだ。だから雅よりは丈夫なんだよ。」 そう言うと何故か颯斗は苦しそうないや違うな悲しそうな顔をしたんだ。 俺達が見た事のないような顔。 颯斗の表情を見て俺の心臓がまた激しくなり出し始めた。 本当にだまれ! 颯斗に聞こえるだろう!

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