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あり得ないし!
「烈君、手を見せてくれるかな?」
「はい。」
「これは、酷いね。」
谷本は俺の指先を見ても言葉では酷いと言っているが表情一つ変えたりしない。
愛想笑いとかすんのにこんな時位は痛そうな顔しろよとか思うけれどそれは俺が相手だから普段通りの姿を見せているのだと思う。
谷本は俺が優しくされたり哀れまれたりするのを嫌うとか知っているからだ。
きっと雅や零にならもっと痛そうな顔をして親身になって直ぐに手当てをするだろう。
俺は痛みをあまり感じないし人に触れられると苛立ち落ち着かなくなる。
今でも谷本が居るだけで苛立つんだ。
颯斗にはいて欲しく思うけれどそれはやっぱり・・・。
「烈君?顔が赤いけれど熱あるのかな?」
「ない。良いから早くしろよ!イライラする。」
「ハイハイ。じゃあ、脚見せてね。」
考え込んでいるうちに手の方は手当てが終わっていた。
なんだ?
包帯で巻かれているから凄く大袈裟に見えるんだけどカットバンで充分なんだけど後で自分でやり直そう。
「自分でやり直そうと思っただろ?ダメだ。薬を塗ってあるんだ。カットバンとかに取り替えたら治りが悪くなる。」
「これじゃあ、不便だ。」
「その辺は颯斗君に甘えなさい。」
「はっ?あっ・・甘えるとかあんた頭おかしんじゃないの?何言ってんだよ。」
甘えるとかあり得ないし!
この俺が人に甘える?
颯斗を見ると心配そうに俺をみていた。
甘えてみても良いのかな?
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