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拒むのに

「大丈夫か?痛いのか烈?」 颯斗のベッドの大きさなんて今は分からないけれど俺の側に膝をついてベッドに上がって来る颯斗が居るのが分かった。 今、側に来られたらバレちゃう。 「来るな!痛くないから来るな!」 俺は意識朦朧としながら微かに見える視界で颯斗の腕を掴んでそれ以上来ない様にしようとしたがそれは虚しく颯斗に掴まれてしまった。 「我慢するな烈。」 「いいから・・俺を1人にしろよ!」 そう言い放つと颯斗は俺の腕を力一杯に握りしめたが俺には効かないよ颯斗。 けれど颯斗に握られた腕が熱くて堪らない。 変な声が出そうになり枕に顔を押し付けて声が出ない様に我慢していた。 「薬飲めるか?」 「うっ・・ら・・・ない。」 「苦しいのか?こっちに来い烈!」 きつい口調で命令みたいに言われたらいつもの俺なら暴言を吐いて拒むのにどうして・・・。 僕の身体は言う事を聞いちゃうの?

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