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夢中で

「颯斗、好き。大好き・・・颯斗。」 「烈、好きだ。離したくない。」 颯斗の優しい眼差しも言葉も温もりも強く抱きしめる腕も俺だけにくれる。 離れたくない。 指が痛いとか足が痛いとか少しの痛みも感じなくなっていた。 俺は必死に颯斗のシャツを握り締めて抱き付いていた。 「烈、全てを俺のにしたい。ダメか?」 「颯斗・・・俺も颯斗の全てを欲しい。」 「そんな顔するなよ。めちゃくちゃにしてしまいそうだ。」 颯斗は俺の前髪を上げると額に唇を軽く当てて微笑んだ。 俺はどんな顔をしている? 「颯斗、俺の顔は変?」 「烈?変じゃない。いつもは人を冷たい目で見ているが今は違う。俺に夢中って感じの目をして顔を赤らめながら笑うとか反則だ。」 「反則?俺は何かしたのか?」 「そうだな、俺を夢中にさせたくらいじゃないか?」 頬を包み込むように優しく両手で俺の顔を上に向かせると颯斗の唇が俺の唇を塞いだ。 ずっとこのまま颯斗の側にいたい。 颯斗の手がゆっくりと俺の身体のラインをなぞるように下へと降りてくる。 俺は夢中で颯斗の舌に自分の舌を絡め甘い声を漏らしていた。

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