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あり得ない
凛のなんかのスイッチが入ったらしくてさっきから俺は困り果てていた。
俺が休憩時間に立ち上がるとだ。
「雅、どこ行くの?」
「トイレだよ。」
「僕も行くよ!」
「えっ?いや、1人でも平気だよ。」
グッと顔を近づけてきてジッと俺を見つめてくる。
それを見たクラスメイト達がザワザワとしだして俺の事を悪く言う声が聞こえてくる。
『西園寺君にも優しくされて凛君にもなんて許せない』とこんな事を言われてしまっている。
「雅、行くからね。」
俺はクラスメイトに嫌われても良いけど凛に嫌われる事を恐れて頷いた。
この俺が怖くなるとかあり得ない。
「凛君、何をしようとしてるの?」
「雅のベルト外そうとしてる。」
「いいよ!ぼっ・・僕、1人でも大丈夫だから凛君。」
「手痛くないの?大丈夫なの?」
ベルトに手をかけながら上目遣いで聞いてくる凛。
こんな所を他の生徒に見られたら何か誤解をされて変な噂を流されそうだ。
俺は凛の手を掴むと雅の真似をしてニッコリと笑って痛くない事をわかってもらおうとした。
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