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約束だ。

また涙が目から溢れ出てくる颯斗は涙に唇を当てて小さい声で呟いた。 「大丈夫だ。烈は俺が守るから約束だ。」 「うん・・・うん。」 僕は小さく消えそうな声で返事をしながら首を縦に動かした。 颯斗、俺ね大好きだよ。 「ゴホンッ!」 先生に俺達の会話が聞こえていたのかさっきのキスの音が聞こえていたかは分からないが煩いよと言うように咳払いをされてしまった。 俺達は顔を見合わせてクスクスと笑うと先生がまた咳払いをした。 「昼休みになったら迎えに来るから寝てろよ烈。」 「うん。」 颯斗は俺の額にキスをしてカーテンの向こうへと消えてしまった。 それから颯斗は先生と少し話し保健室から出て行ってしまったのだ。 俺は1人ベッドの上でさっき颯斗が呟いた言葉を思い出して嬉しくてまた泣きそうになった。 本当に俺は弱くなってしまった。 雅に悪いと思う気持ちと颯斗を好きだと言う気持ちがぶつかり合い胸が苦しくなった。 でもそれ以上に颯斗が好きだ。

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