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愛し合っていた?

男は俺の髪に鼻を付けると深呼吸をした。 「烈の匂い。久しぶりだ。」 「はなっ・・ウヴッ!」 口を塞がれて何かの液体を嗅がされたのか俺はそのまま意識を手放してしまっていた。 薄れて行く意識の中で男が耳元で囁いた気がした。 『ずっと離さないよ。烈は僕のだからね。思い出させてあげる2人で愛し合っていた日々を長い時間かけても僕を思い出させてあげるからね烈。愛しているよ。』 愛している? 俺はこの男と愛し合っていたのか? 違う! 雅か零と勘違いしているに違いない。 なら、何故? 烈と呼ぶんだ? 頭が重たくて凄く凄く眠たい。 寝てしまったら俺は颯斗の所に戻ることが出来なくなってしまうけれどでも何故かこの男には逆らえない。 本当に愛し合ってたのか? 『痛くないだろ?烈はこれが好きじゃないか?』 『好きじゃない。ヤダ!やめてよ。ダレカタスケテよ!!』 『愛し合ってる2人に助けが必要なのかい烈。』 『あ・・愛して・・・ない。』 愛してない! そう言うと男は叫びながら俺の身体にムチを打った。 ベッドにうつ伏せに寝かされて拘束されているから逃げる事もできずに俺はずっと痛みに耐えた。 背中からは生温かい血が脇腹を通ってシーツに落ちて行く感触が伝わってくる。 『愛してると言え!そして許しを請え!』 涙が頬を伝うが俺は呻き声を出すだけで決して許して欲しいと懇願はしなかった。 絶対にこの男に屈服しない。 何をされても俺はこの男に愛してると言わない。 それが死を意味してもだ。

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