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枷
目を覚ますと白い天井が視界に入ってきた。
ここは保健室?
夢を見ていたのかな?
それにしてもやけにリアルで俺が颯斗以外を愛してたなんて笑える夢だ。
俺が颯斗に出会う前に人を愛するとか意味がわからない。
そんな感情は俺には無いはずだ。
今は何時かな?
颯斗はお昼休みに来てくれると言っていたがまだなのかな?
ジャラッ!
俺が起き上がろうとすると何か金属製の物が当たる音が聞こえてくると同時に身体が動かないことに気がついた。
首だけを横に向けると手首に枷をされていて鎖でベッドの端に繋がれていた。
恐る恐る足元を見ると足も同じ様に枷がされて鎖でベッドの端に繋がれている。
よく周りを見れば保健室じゃ無いとようやく気付いた。
どこだよここ?
あれは夢じゃなかったのかよ!
もしかしたら颯斗との事が夢で現実逃避をしていたのか俺?
そんな事を考えながら俺は今の起こっている事が夢で颯斗との事が現実であって欲しいと願っていた。
きっと夢だ。
早く起きなきゃ!
そして颯斗にギュッて抱きしめて貰うんだ。
颯斗、好きだよって言うんだ。
起きろよ!
俺は夢を見てるんだろ?
頼むから・・・颯斗の側にいさせてくれよ。
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