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やはり現実

深い深い暗闇の中にいた気がする。 目を開けると白い天井で枷も鎖も無くて手を見れば綺麗に包帯が巻かれていた。 夢だと良いのにと目覚めてから何度思ったんだろう? 「つうッ・・・身体が痛い。」 起き上がろうとすると身体中がミシミシと音を立ている様に痛みを感じる。 ここに来てから俺は身体がおかしい事に気づいた。 いつもなら痛みなんてそれ程感じる事がないのに指先は熱を持つ様にジンジンと痛むのだ。 颯斗を好きだと気づいてからかそれとも少しだけ忘れていた事を思い出したからなのか分からないが俺の身体は変化していると思った。 あの部屋から出なければ雅の身体をこんなにも傷付けずに済んだのに・・・。 ごめんな雅。 でも後悔もあるけれど俺は颯斗に出会えた事は幸せに思うんだ。 この気持ちだけあればそれで良い。 もう颯斗に会えなくても俺の初めては颯斗だった。 颯斗、幸せになってくれよ。 少しだけ消えるのが早くなったと思って颯斗は前を見て生きてくれ俺は颯斗を思いながら生きれたら良い。 颯斗、愛してる。 ずっとだ。

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