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お前知ってる
「俺、お前知ってる。颯斗だろ?烈の記憶はあるからな分かるよ。」
「烈の記憶?」
「呼びつけて話してないのかよ琉煌。」
滅は床に座り込んだ颯斗の傍にしゃがみ込んで睨みつけるように琉煌を見上げながら言った。
琉煌は滅の睨みに一瞬怯みそうになったが平常心を保つように少しだけ深く息を吸い込んで颯斗に話さなかった理由を滅に説明し始めた。
「来てから説明した方が良いかと思ったので電話では説明していません。颯斗の目で確かめた方が納得すると思います。」
「確かに、そうかもしれない。」
颯斗は2人の会話を聞きながら目の前にいるのが烈ではないと理解したがその人格が誰なのかまでは分からなかった。
けれど最悪の事を思い浮かべたのだ。
琉煌の怯みようから目の前に居るのは滅なのかもしれない。
「おっ、その顔いいなぁ〜。颯斗!」
「もしかして、滅?」
「正解!」
滅は颯斗がようやく自分が誰なのかを理解したのが嬉しくて大きな声で笑っていた。
その姿を見て琉煌は以前の滅と少し違うと感じたのだ。
人を痛めつけて笑って機嫌が良くなったりするが颯斗に自分が誰なのかを理解して貰って嬉しそうにするなんてあり得ないと思った。
もしかしたら烈の颯斗への思いが滅を変えたのか?
そうとしか思えない程に滅は嬉しそうに颯斗の側で笑っていたのだ。
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