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颯斗が大事

涙が止まる頃に俺は急に眠たくなりそのまま寝てしまったのだ。 『滅、滅、お願いだから颯斗を傷付けないでくれ!』 「うるさい!余計な事をするなよ烈。」 『颯斗には何もしないと約束してくれよ。』 「約束?俺がすると思うわけ?」 烈が話しかけて来る。 前の時は寝ていても絶対に俺の側になんて来なかった烈が俺に約束なんてさせようとする。 それだけ颯斗が大事なのか? 颯斗を傷付けれないなら烈を苦しめて楽しむという事も出来るよな? 「烈、俺が颯斗を好きだったらどうする?」 『えっ?』 良い顔する。 こっちの方が楽しいかもしれない。 「颯斗を好きになった。」 『本当に?本気で言ってるのか滅』 「本気だ。悪いがお前と代わる理由が無いし颯斗のそばに居て俺が代わりに颯斗を貰うからな烈。じゃあな。」 烈は何か言いたそうにしたが下唇を噛み締めて何も言わなかった。 考えてる事は何となくわかる。 どちらも同じ人間だから烈も俺の考えは分かっていると思うが今の力の強さは俺の方が上だから烈は何も出来ない。 何も出来ないで颯斗を手放すんだ烈。 『滅、俺は悲しくないよ。颯斗が大切で側にいたい。だからどんな形でも側にいれるならそれでいい。俺が消えるわけじゃない。颯斗を頼むな滅。』 「バカじゃないのか?お前が颯斗に触れたりするんじゃないんだぜ!意識は俺なんだ。」 『うん。でも感情は伝わるから滅。俺は知ってるよ。滅が颯斗の事を好きなの知ってる。』 何を言ってるんだ? あの感情は烈が俺にさせていたんだろ? 違うのか?

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