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俺は誰だ?

「滅、いいから横になれよ。」 颯斗が心配そうに俺に話しかけて来ているのが聞こえているがどうしても考えて思い出さないといけない。 俺は誰だ? 『烈、聞きなさい。君の身体と心はバラバラになりかけている。だから暗示をかけるよ。』 暗示をかける? 『雅で落ち着いたみたいです。』 『今日から君は雅としてこの部屋で過ごすんだ。』 雅として過ごす? 『琉煌には悪いが記憶を封じるしか無いんだ。滅がまた暴走する。』 『雅、お別れだ。』 お別れ? 『愛してるよ。雅。』 愛してる? 琉煌を愛していたのは誰だ? 『烈、愛してるよ。』 颯斗、俺は・・・・・。 愛してる。 「俺は・・・颯斗を愛してる。」 「滅?」 ゆっくりと目を開けるとこれ迄の記憶が映像を見ている様に鮮明に蘇ってくる。 あの2人に色々されていた事で俺はボロボロになっていたんだ。 「烈だ。颯斗・・・・・ただいま・・。」 そう言って颯斗を見ると俺はそこからの意識がなくなっていた。 俺はずっと夢を見ている様に何年もあの部屋で過ごしていたんだ。 起きたら颯斗に今迄の事を話さないとダメだけどこんな俺でも颯斗は受け入れてくれるだろうか?

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