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混在 1

夢を見ていた。 悪夢だったり幸せ過ぎるくらいの夢を見ていたんだ。 「烈なのか?」 「えっ?あれ?」 声を掛けられて意識がハッキリして来ると僕を覗き込む様に心配している颯斗君がいた。 夢をまだ見てる? 「雅?」 「雅じゃないよ。」 雅じゃない。 僕は香椎烈だよ。 あの時に僕は全てを雅として生きる様に言われたんだ。 母親だって僕の安全を考えて烈ではなくて雅という子を育ててきたことにしている。 旦那様はどういう風に手を回したかは分からないが烈を全て雅として生きていた事に塗り替えていた。 だから僕を調べても雅としてしか探せない。 今は雅でもあり零や滅でもある。 全ての記憶が僕の中にあって少しだけ戸惑うけれど違うかなり困惑しているが受け入れるしかない。 もしかしたら旦那様は全ての記憶が戻ってもパニックを起こさない様に何かしてくれていたのかもしれない。 「丸一日寝てたんだ。身体もかなり弱っていて烈?体調はどうだ?怠かったり痛い所はないか?」 「ありがとう颯斗君。僕は大丈夫だよ。少しだけ怠いかな?」 「そうか、先生に連絡する。」 「うん。」 僕の様子を伺う様に烈と呼んでいた。 あの烈とは雰囲気が違うから戸惑っている様な風にも見えるけれど僕の中で色々と整理をしないと上手く伝える事が出来ないからもう少しだけ待ってね颯斗君。

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