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久しぶりだね
車から降りて教室へと向かう途中に周りが僕をジッと見てはヒソヒソと話をしている。
気にする事はないけれどやはり人の視線はあまり好きにはなれない。
「烈、気になるか?」
「うん・・少しだけね。」
「気にするなよ。」
隣で歩いている颯斗が僕を見下ろして優しく笑いかけてくれた。
さっき迄は何も話をしてくれなかったのに今はとても優しく僕に笑いかけてくれる。
生意気な烈なら素直には喜ばないだろうが僕は単純だから優しくされたら嬉しくて顔がニヤケてしまう。
「可愛いな、烈。」
「颯斗・・・。」
ヤバイ!
学校なのに颯斗に抱きしめて貰って色んな事をされたいとか思ってしまう。
この辺は零の人格が影響してるのかな?
あの人格は全て作り上げたものだけど直ぐに消えてなくなりはしない。
上手く振舞わなきゃダメだ。
「そんな顔したら襲いたくなるから止めろよ烈。」
「あのっ・・・颯斗。」
うわぁ〜!
もうダメだぁ〜。
僕が颯斗を襲っても良いだろうか?
「雅!」
「えっ?」
後ろからガバッと抱きつかれて背中を頬擦りしているこの可愛らしい男の子は凛くんだ。
「雅、久しぶりだね。」
「うん。」
「心配してたんだよ。もう大丈夫なの?あっ、雅じゃないんだよね。烈?だったかな?」
「雅でも大丈夫だよ。樫井烈だけど僕はどちらでも良いよ。」
「うん、でも烈って呼ぶよ。」
「ありがとう。凛。」
凛と呼び捨てにしちゃった。
怒らないかな?
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