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新しい友達

4人で廊下を歩いていると先生に呼ばれていた颯斗が前から近付いてきた。 「烈、大丈夫か?」 颯斗は祐と洋を睨みつけながら心配そうに僕の腕を掴み自分の方へと引き寄せた。 祐も洋もそんな颯斗を見るのが初めてみたいで少し怯えているように見えた。 「本当に颯斗君は心配症だね。僕が一緒にいるんだよ。大丈夫に決まってるでしょう?」 「お前がいるから心配かもな凛。」 颯斗は凛を見ながら鼻で笑った。 凛が居るから心配ってどうして? 僕には1人でいるなって颯斗か凛と一緒に居るようにと言ったのは颯斗なのにどうして? 祐と洋が凄く怖がってるよ2人を止めなきゃだ。 「いい加減にしろよ2人共、俺の心配は良いんだよ颯斗。」 「すまない烈。」 「祐と洋はさっき友達になったんだよ。だから安心しろよ。」 あれ? この口調は烈だ。 あっ、今の僕じゃなくて烈の人格の時の口調になってるよ。 颯斗は分かってるから気にしないで話をしてるけれど後の3人が僕を見て固まってるよ。 「あの・・・ごめんね。たまに記憶が無い時の口調になるんだ。怖がらせてごめん。」 僕は3人に謝ると口調が戻ったのを安心したのか強張っていた表情も柔らかい表情に変わって行った。 颯斗は僕の頭を優しく撫でてくれていた。 「そっか、記憶が戻っても無意識に出ちゃうんだね。ちょっとビックリしたけれど強い口調の烈もカッコよくて良い感じだよ。」 凛はそう言って笑ってくれて祐と洋も笑顔で凛の言った事に頷いてくれた。 「ありがとう。」 「それより、早くしないと授業始まるぞ!」 「あっ、早く教室に行こう!」 颯斗が腕時計を見ながら言うと凛が慌てて教室に行こうと言ったのだ。 後、1分くらいで授業が始まってしまう。 僕達は慌ただしく教室へと向かった。 新しい友達が出来た事が凄く嬉しくて走りながら僕は顔がニヤケないように必死で我慢していた。

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