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視聴覚室
視聴覚室に着くと前の方しか席が空いてなくて僕達は5人で空いている席に座った。
座っているけれど後ろからの視線が気になる。
入る前に皆に何かあっても大丈夫だからねと言われたけれどやはり突き刺さる様に冷たい視線は嫌でも感じ取れる。
仕方がない。
人気のある颯斗と凛を独り占めしている様な感じだし聞くと洋と祐も人気があるのだと凛がこっそりと教えてくれた。
そりゃあ、目立つよなぁ〜。
こんなひ弱な青白い細身の俺なんかと後の4人は釣り合わないと思うんだ。
颯斗はどうして俺を好きなんだろう?
チラッと颯斗の方を見ると颯斗はそれに気付いて優しく笑いかけてくれた。
その様子を見ていた後ろの生徒達がザワザワと騒めき出したのだけれど分かる気がする。
こんなに優しく柔らかい表情は俺にしかしないんだ。
2人が付き合ってるとか知られても平気だとか颯斗は言い切ってたけれどでもやっぱり知られたくない。
弱気なのは雅。
烈ならきっと平然と文句あるならハッキリ言えよとか言って喧嘩になっちゃいそうだ。
俺は雅と烈の考えの間くらいだ。
なんだか自分の考えだけれどおかしな気分になる上手くは説明出来ないけれど不思議な感覚だ。
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