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小声で

凛が不意に僕の制服の袖を軽く引っ張る。 祐、洋、凛、僕、颯斗の順番で座っていて凛は洋と祐に気付かれないくらいの声で僕達に質問してきた。 「ねぇっ、2人は付き合ったるの?」 「へっ?」 「そうだ。だから烈に抱きついたりするなよ。」 ザワっとまた後ろが騒がしくなった。 僕はパニックになり口をパクパクとしか動かせないでいるけれど凛と颯斗は普通に会話をし始めて祐と洋も僕達の方を向いている。 落ち着け! 凛は気を使って小声で質問をしてくれたのに誤魔化さずに颯斗は僕と付き合ってると言うのを皆んなが聞こえるくらいの声で返事をした。 「やっぱり!でも僕的には烈が可愛いから抱きつきたいよ。変な感情ないよ。彼氏的には嫌だとは思うけれど颯斗君の許可貰いたい。」 「下心無いなら良いがあまり抱きつくなよ凛。」 「うん!ありがとう颯斗君。」 この会話で僕は居たたまれなくなり下を向いてしまっていた。 どうしてこんな皆んなの怒りとか買う会話を平気で2人はするの? きっと皆んなは僕に対してもっと冷たい視線を向けてくるよ。

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