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誰かいないの?
暗闇で叫んでみたけれど返事はなくて徐々に恐怖が増してくるのだ。
どうしてこうなった?
本当に誰も居ないの?
もしかしたら僕は気を失ってしまったのだろうか?
『聞こえてるか?』
「誰?」
暗闇の中から人の声が聞こえてくるこの声には聞き覚えがあるんだ。
『雅、久しぶりだね。』
「旦那様!」
『元気にしているみたいだね。』
旦那様だ。
大好きな旦那様。
けれど旦那様は亡くなられたと颯斗に聞かされているやはりここは僕の夢の中の様な感じなのだろうか?
『もうすぐ目を覚ますよ。』
「目を覚ます?」
『少し時間がかかり過ぎた。もう大丈夫だから安心して目を開けなさい雅。』
「目を開ける?」
夢から覚めて颯斗のそばに戻れと言っているのだろうか?
不思議な感覚。
早く目を覚まさないと颯斗が心配しているはずだよ。
僕は旦那様の声を懐かしく思いながら一度ゆっくりと目を閉じて深く息を吸い今度は息を吐きながら目を開いって行った。
愛おしい颯斗の顔を浮かべながら目を開けた。
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