話の途中でふと、部屋の隅の小さな女の子に気が付く。 右腕に包帯を巻き、クマのぬいぐるみを両手で抱きしめている。 「「この子は？」」俺と五十嵐さんの声がハモる。 「相沢さんご夫婦のお子さんで、凛ちゃん というそうです。 事故に遭われた時、お母様が 命懸けでかばったお陰で右手の擦り傷だけで済みました。」 子供もいたのか。 俺達の姪？ 凛 と呼ばれたその子は鼻をすすりながら 「なにかあったら、さとし と しょう におねがいする って ぱーぱ と まーまが いってたの。 ぱーぱ と まーま しんじゃったの？ りん、いっしょにおうちにかえりたい。」