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第56話
守君、瞳…
お前ら性教育は、しっかりやってたんだな…
妙なところに感心しながら、俺は取り敢えず平静を保ちながら言った。
誤魔化してもしょうがないだろう。腹を括った。
「そうだ。おれと智は『愛し合ってる』んだ。らぶらぶだぜ。
でもさ、男同士だろ?残念だけど世の中ではまだ認めてもらえない。
色々あるだろうけどさ、俺達は何があっても離れないし、お前と三人で暮らしていくんだ。」
凛はペロリと朝食を平らげ、ごちそうさま をして、俺の言うことをじっと聞いていたが、ドヤ顔で言った。
「だいじょうぶだよ。まーくん と せいくんも あいしあってるもん。
りん、けっこんしきもでたよ。」
「まーくん と せいくん?」
「うん、ぱーぱのかいしゃのおにーさん。らぶらぶだよー。
だから、しょう と さとし も けっこんしきしてね。」
会社の?お通夜に来てくれた中にいたのか?
っていうか…
凛、お前…世の中のスイもアマイも噛み締めた大人みたいじゃねーかよ。
齢5歳にして、その悟り具合は なんなんだ?
「結婚式は…智次第だな。このことは他の人にはナイショにしてくれよ。
さあ、準備できたら出かけるぞ。」
動揺を隠しながら準備を済ませ、凛を連れて家を出た。
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