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第59話
マジか…と呟いて、智は天を仰ぐ。
「でもさ、凛、すっげぇ わかってるんだぜ。
俺達に結婚式してほしいってさ。」
智は黙って考え込んでいる。
おい、何悩んでるんだよ。
まさか…なかったことに…なんてことねーよなっ??
智はフッと息をつくと
「隠しごとはしない。俺はお前を愛してるし、恥じることもしてないし、別れるつもりも毛頭ない。
凛には…俺からもちゃんと話そう。
あいつ、俺達が思うよりずっと大人かもしれない。
両親の死を受け止めて、残された自分の立場もわかってる。
物分かりが良すぎるくらいにな。
あの子には幸せになってもらいたい、いや、幸せにしてやる。
それと
動けるようになったら、明日 指輪買いに行くぞ。」
さーとーしー!お前、俺のヨメのくせに男前っ!
俺はちょっと涙目になって、コクコクと何度も首を振った。
智はそんな俺を見て、口の端を片方だけ上げてニヤリと笑うと、また箸を動かして美味そうに平らげた。
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