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第61話
「じゃあ、ちょっかい出される前にもっとマーキングしとかなくっちゃ。
なあ、智。」
「マーキングっ?ばっ、ばか、何言ってんだ。」
どぎまぎして赤くなる智を見ながら、俺はほくそ笑んだ。
凛を味方に付けりゃ、怖いもんなんかねーぞ。
「さあ、今日はとびっきり美味いメシ作ってやるから、楽しみにしといてくれよ。
凛、智のこと頼んだぞ。」
「うん、まかせて!
さとし、おりこうにしてね。」
ご機嫌な凛と、すっかり凛のペースに持ち込まれ大きく溜息をついた智とを残し、俺はキッチンへ急いだ。
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