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第68話

「なんか…怒涛の展開で頭がついていかない… 俺、流されてる!?」 家に着くなり智がボヤき始めた。 俺は智の両手をそっと握って溢れる思いを伝える。 「なあ、智、俺はお前を愛してて、お前も俺を愛してて…お互いが必要としてるんだから、それだけではダメなのか? 俺はこんなに人を好きになったことも大切にしたいと思ったこともない。 お前がなんと言おうと、この先一生手放す気はないから覚悟しとけよ。 知り合った日数とか状況とか関係ねーよ。 もう、好きで好きで堪らない。大好きだ。」 そして智の肩を引いて抱き寄せた。 お互いの体温と心臓の音が行き来して、幸せな気分に包まれる。 智も素直に体重を預け、俺の肩に頭をもたれさせて呟いた。 「うん、そうだな…俺も…お前のこと好きだ。 日が経つほど、お前に対する『好き』が大きくなって… 毎日恋してるみたいだ… 男で、こんな歳で、なに言ってるって笑われそうだけど… …翔、愛してる…」 最後は小さな声で…でもはっきりと聞こえた。 俺は智の顎を優しく摘んで上を向かせると、キスを落とした。 かわいくて男前で、優しくてちょっと天然なところのある俺の嫁!

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