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第72話

俺は… 知り得たばかりの情報通り、シャワーヘッドを外してきっちりと丁寧に繋がるところを洗い、バスローブのまま翔の部屋へ。 ヤバい、ドキドキする。 洗い残したとこ、ないよな… なんだこれ、俺、乙女みたいじゃん。 凛を早々に寝かしつけた翔は、目に見えないしっぽをぶんぶん振り回し、部屋で待っていた。 「智…」甘い声で俺をベッドへ誘う。 俺は全身が心臓にでもなったかのような錯覚に陥り、ただ翔を見つめていた。 翔は、動けない俺の側に来てそっと抱き締めると、 「今日は絶対優しくするから。」 と耳元で囁いた。 その場で立ったまま、絡め取られるようなキスをされ、俺の息が上がってくる。 「んふっ、んっ、んっ」 息苦しさで少し開いた唇からそっと差し込まれた翔の舌に、 逃げる舌を追われ、根元から吸い上げられ、歯肉を頬の内側を舐められ、唾液が口元から零れていく。 翔の舌は、それ自体が意志を持っているように 俺の口の中を蹂躙していく。

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