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第80話

ああ、これだ。ほしくてたまらなかった愛おしい恋人の愛の塊。 俺の襞は絡みつき追い縋り、逃すまいと纏い付く。 俺は男で、どんなに中で出されても絶対孕まない。 そんな種の保存のサイクルに反した非生産的な行為だけれど、だからこそ そこに本当の愛を見出すのだ。 決して実ることのない俺達の精子。 吐き出されるそれらは、愛の証として昇華していくのだろう。 体位を変え、キスを交わし、盛った獣のように交わりながら、「智、愛してるよ」とささやく翔の言葉に更に欲情して、俺達は何度も射精した。 息も絶え絶えになり、力が入らなくなってきた頃、翔の抽挿が一段と激しくなり、ずくんと最奥に熱いものが届いた途端、身体中を電流が走り、目の前が真っ白にスパークして、俺の意識は飛んでいった。

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